淫獣捜査 隷辱の魔罠
【75】 般若の刺青
スポットライトを浴びて悠然と立っているシオさんの背が見える。
今まで身に着けていた黒いボディスーツを脱ぎ捨てた彼女は、その下に潜めていた裸体を晒していた。
代わりに身に着けているのは黒いロングブーツとロンググローブという出で立ちで、透き通るような白い肌とのギャップが激しく感じられた。
「うッ、あ、あれは……」
思わず俺が息を飲み込んだのは、その彼女の恰好や肉感溢れる魅力的なボディに言葉を失ったわけではない。
長い白髪が垂れる彼女の背にはギロリとこちらを睨みつけてくる目があったのだ。
怨念のこもった瞳に凝視されて、思わず肝を冷やしてしまったというわけだった。
「ふッ、凄いだろう? あの刺青」
そう、シオさんの背には刺青が彫られていたのだ。その迫力におもわず紫堂の言葉に頷いていた。
刺青をそう何度も見る機会があったわけではないが、シオさんのものは別物だとわかってしまう。
――鬼女
嫉妬と恨みを込めた般若の面となった鬼女の恐ろしい姿がそこにはあった。
その生き生きとした姿と睨みつける眼力には刺青とわかっていても圧倒されるものがある。嫌でも刺青を彫った人物の執念にも似たものを感じさせずにはいられない。
見事だと思わされた紫堂の背にある刺青すらも今では見劣りさせられる。
そんな他を圧倒するものがシオさんの背にある刺青にはあったのだ。
「あれは、日本有数の彫り師と呼ばれた鬼作が残した最後の品だよ」
紫堂の話では日本の裏社会に生きる者なら誰でも憧れるような有名な彫り師らしい。
その人物が彫るのは金の為でなく満足のいく品を残すためであり、大金を積まれても暴力で脅されても屈することはなく、ただ自分が彫るに相応しい肌にしか作品を残さないという変わり者だった。
その作業風景はまるで自分の生命を削り出して作品に注ぎ込んでいるかのような鬼気迫るものであったらしく、そこから”鬼作”と呼ばれるようになったらしい。
晩年は自分の作品に相応しい美しい女性の肌を探し求めて、そこに鬼の絵柄を彫るのに執着していたという。
その七点の作品は鬼作の最高傑作と称されるのに相応しい出来栄えで、裏社会のオークションにたまたま流れてきた一品を求めて血生臭い抗争まで勃発したという逸話まである。
今では裏の好事家どもが大金を積んで彫られた女性の生死を問わずにその刺青を求めているほどなのだ。
そんな鬼才が最後に残した作品ともなればどれほどの価値があるかも想像できない。
そんな品が目の前のシオさんの背にあるというのだ。
道理で彼女がボディスーツを脱いでから目の色を変えたVIP会員たちが何人もいたはずだ。彼らもまた鬼作の品に魅せられた者たちなのだろう。
(それで、あの迫力にも納得だが……俺が気押されるのはそれだけではないな)
目の前に立つシオさん自身からも鬼気迫る気配を感じさせられていたのだ。
まるでその鬼女が乗り移ったかのような負の気配に、正直にいえば今の彼女の顔を覗き込む勇気はない。
だが、その彼女の視線を向けられているのが涼子さんとなれば、そうも言っていられない。
「おっと、今回は素直に座っててもらうよ」
俺が動こうとする気配を察して紫堂が先に釘を刺してくる。
彼が視線を向ける先にはVIPルームの残してきた玲央奈の姿があった。
タギシさんの相手していた女たちによって、いつの間にかその身も押さえられていた。
今は後ろ手に拘束された姿で女たちに囲まれている。
そんな窮地であるにも関わらず玲央奈は落ち着いており、ジッと見つめてくる表情からも俺を信じて後を託してくれているのが伝わってくる。
(あぁ、大丈夫だ……あとは時間さえ稼げれば駿河さんたちが救援にやって来てくれる)
幸いなことに紫堂たちは俺たちをすぐに殺したりはする気はないようだ。
それどころかオーナーのふたりは正体を明かしてからはより親密に接してきているようにすら感じられる。
その端々から何か俺を試しているように感じられるのだが、それが妙に気になってしかたがない。
(いったい、なにがしたいんだ? 俺になにを求めているんだ?)
なにか別の思惑があって今は泳がされている気がしている。それが何なのか今の段階では判断しようがないが、お陰でずっとモヤモヤした気分にさせられていた。
こんな相手の本意もわからない状況では、いつ相手の気が変わり身に危険が訪れるかわかったものではない。
紫堂の気まぐれで容易に事態が変わりかねない状況は、薄氷の上に立たされているのようなものなのだ。
(なら、今の俺がすることは少しでも時間を稼ぎつつ、判断に使える情報を得ることだな……そういえば、初めて出会った時にも俺はシオさんに凄い睨みつけられたよな……)
長い前髪の隙間から覗いていた冷めた瞳。彼女からの視線にはあきらかな恨みが込められていた。
当初は彼女を毛嫌うナナさんがそばにいたからだと思っていたが、その後に涼子さんにも同様の視線を向けているのを見ている。
それならばと心当たりを探るものの、どうにも該当するものが見当たらない。そもそも初めて出会った女性にそこまで強い感情を向けられることすら初めてなのだ。
(……でも、本当に初めてなのか?)
なぜだか彼女には見覚えがある気がしてならない。
だが、あんな凄いボディをした美人ならば忘れようもないはずだ。その上、不愛想なタイプなら嫌でも記憶に残りそうだ。
シオさんは紫堂と支配人が天塩をかけて作り上げた牝奴隷だというのは聞いている。
対象者の心を壊すようなエグイ調教を行うらしい支配人によって牝奴隷として躾けられ、彼の調教術を一から心身に叩き込まれて調教師としても育てられたという。
支配人による調教はナナさんの機転によって一度は回避できていたが、今回はそのナナさんもいない。
先ほど俺から逃げるようにしてステージを後にしてから戻ってこないのだ。
微妙なバランスの上で成り立っている今の状況で時間を稼ぐには、素直に状況に流されるしかない。
そのため俺だけでは今回の調教を止めることはできなさそうなのだ。
それでもいざとなったらこの身を張る覚悟だけは固めておく。
(ごめん、涼子さん……)
その涼子さんは、シオさんの向こう側でちょうど吊り上げられようとしていたところだ。
移動式の拘束台から伸びたロボットアームによって両腕を掴まれて、ゆっくりと裸体が持ち上げられていく。
床から足先が完全に離れて宙に浮かぶと今度は別のアームによって足首が掴まれて大きく左右に開かれてしまう。ちょうど空中で『人』の字を描くように固定されてしまったのだった。
無数の熱い視線が集まる裸体には黒いハーネスを組み合わせた拘束衣が絡みつき、彼女の肉体をギリギリと締め上げているのだが、卑猥に変形させられたそのボディがもどかしそうに揺れているのに気付かされる。
「んッ……はぁ、はぁ……くッ……あぁぁ……」
乳首とクリ×リスを貫くシルバーのリングピアスが、今も耳には聞こえない超音波に共鳴して微細に振動を与えているのだろう。充血して痛いほど勃起しているのが遠目でもわかってしまう。
強制的に発情させられ続ける彼女の柔肌はピンクに染まったままで、吹きでる大量の汗が照明の光で輝いてみえていた。
「シオの奴……ようやく彼女に会えると知って愉しみにしていたからな、実に嬉しそうだよ」
「……あれで嬉しそうだって?」
俺から見たらシオさんは、宿敵を前にした仇討ち人か罪人を前にした処刑人に見えていた。
その者らが喜々とする状況は、どうみても血生臭いシーンしか思い浮かばない。
(いやいや、待てよ……今、紫堂はなんて言った? ようやく彼女に会えると知って……と言ったのか?)
何気なく言い放った紫堂の言葉が妙に頭の隅で引っかかる。
――シオさんが知ったのは、いつの話だ?
紫堂がタギシさんとして変装した人工皮膚がどういうものか詳細は不明だが、仮に映画の特殊メイクのように手間取るものであれば準備にも時間が必要なはずだ。
元々、身分を偽って来訪する予定だとしたら、正体をあかした時のVIP会員らの反応が希薄だったのが気になる。その事からも彼の変装は一部の会員らにとって暗黙の了解なのだろう。
もし、俺らを出迎えるための変装だとしたら、その準備は少なくとも俺らがこの倶楽部があるゴルフ場に到着する前になるだろう。
だが、車中で同乗していたナナさんは俺らの応対で付きっきりだった。ハンドルを握っていた者が全頭マスクを被っていた涼子さんの正体を見抜けるとも思えない。
(ならば、もっと前からか……)
記憶を遡れば、兄貴の残したメモリーの映像で紫堂の帰国を知った涼子さんは、俺にも知らせずに単身で調査をしていたらしい。
その後、元上司であり兄貴とともに紫堂を追っていた駿河さんと協力をすることになったと聞いている。
(恐らく、その時にでも相手の情報網に彼女の動きが察知されていたのか……)
そう考えると、この倶楽部に紫堂が来訪する情報自体がリークされていた可能性すら出てくる。
事実なら涼子さんはまんまと相手が用意した餌に喰い付いてしまったということになる。用意周到に待ち構えている相手の懐に自ら入り込んでしまったという訳だ。
(……それなら――いや、まさかッ!?)
そこまで思考してある事に思い当たってしまう。
ハッした俺の様子をオーナーたちは楽しげに見つめてくる。
「どうした? 顔色が悪いぞ」
「そうね、さっきまであった余裕がなくなっちゃったみたいだけど大丈夫?」
代わりのカクテルを俺に手渡しながら、琴里と呼ばれた女性はクスクスと笑っている。
それは、受け取ったグラスの中身が手の震えで揺れてしまっていることに気付いてのことで、実に相手の気持ちを逆撫でる嫌な反応だ。
だが、それに苛立てるほどの余裕は今の俺にはなくなっていた。
なぜなら、そこまで入念にお膳立てしてくる相手が、潜入する俺たちがうってくるであろう策に無防備でいるはずがないからだ。
(クソッ、何をされた……)
少なくとも玲央奈の様子から発信する時点で違和感はなかったようだ。
詳しい送信原理は知らされてはいないが、地下からでも成功したと考えるべきだろう。
ならば妨害電波の類での邪魔はひとまず排除しておこう。
(ならば駿河さんの方に邪魔が入ってる可能性か……)
ここにいるVIP会員らの力を使えば上層部からの圧力も可能だろう。それとも直接的に暴力を使って妨害を入れる方法も考えられる。
(俺が紫堂なら確実性を取って両方だが……駿河さんが受信してくれているのなら、もう彼女の行動力に賭けるしかないな)
少なくとも涼子さんや俺の兄貴が信頼していたほど有能な上司であり仲間の人物だ。俺も彼女を信頼するほか他に手段はない。
そう結論づけて自分の取れる行動を絞れば、あとは進むしかない。
「ふぅ……」
大きく息を吐き出して、感情に流されないように俯瞰して自分を見つめるように気持ちを切り替えていく。
そうすることで動揺でグラついていた感情が切り離されて、客観的に物事が見えるようになってくる。
それは皮肉なことにタギシさんに教えてもらって目覚めた調教時の心構えだった。
「へぇ……キミ、凄いね」
徐々に落ち着きを取り戻してグラスの揺れも収まっていくのに気付いたようで、すぐさま琴里が反応してくる。
その応えとして俺はグラスの中身を飲み干して、無理矢理にでも笑みを浮かべてみせた。
離れているところで見守っている玲央奈を不安がらせないためのハッタリだったが、琴里は気に入ったようだった。
ニヤニヤと小馬鹿にした笑みをおさめて、急に真顔になって両手で俺の顔を挟み込むとズイッと顔を寄せてくる。
「ちょ、ちょっと……」
少女ぽさが残る顔立ちに男装が違和感なくこなせるぐらいスレンダーな身体。
美人ばかりが揃えられたこの倶楽部では少々見劣りがする容姿だが、女性への免疫がない俺にとっては十分に魅力的な相手だった。
特にその見通せない深い水底のような瞳には、惹きつけられるものがある。
そんな年下相手にキスできそうな距離まで詰められて、相変わらずな俺は状況にも関わらずドキドキさせられてしまうのだった。
だが、幸か不幸か相手は同じようには感じてはいなかったようだ。
「うん、一矢くんが興味を持つ訳が私にもようやくわかってきたかも」
「そうだろ? ルーキーは見どころがありそうだから期待しているんだよ」
「いったい、俺になにを期待しているんですか?」
妙に盛り上がっている二人に疎外感を感じて、つい端的に聞いてしまっていた。
正直、素直に教えてくれるとは思っていなかったが、紫堂は迷うことなく答えを口にしていた。
「なにに期待しているかだって? あぁ、それは対戦相手だよ」
「対戦相手って……なんのです?」
俺の反応の楽しみながら紫堂はグラスに掲げてみせる。
エメラルドグリーンの液体の中でいくつもの気泡が浮き上がっては消えていく。
それを眺めながら紫堂は微笑むと、美味そうに飲み干していった。
「何事も楽しむのが俺の信条でね。こうしている今も、常にスリルを求めているんだよ」
「はぁ……スリルですか」
少なくともこの場を支配している立場である人間が何にスリルを感じているのか正直いって疑問しかなく、反応に困ってしまう。
だが、紫堂は気分を害した様子もなく、そのまま話を進めてくれた。
「だからね。今回の凱旋は組織の幹部としての活動もあるが、個人的な愉しみも用意しているのさ。そのひとつがアレだな」
「アレとは……涼子さんですね」
「そう、霧生 涼子(きりゅう りょうこ)を達磨にでもして異国の豚箱にでも放り込んでみようかと思っていた時期があったが、あれは簡単に壊れてしまって思いの外面白くなかったよ。なので、もっと楽しめるようにと趣向を凝らしていろいろと準備をしてきた訳だ」
まるで出し物やゲームの説明をするかのように楽しげに語ってくるが、端々から拾える情報が俺の緊張を嫌でも引き上げてくる。
冗談でもなく、相手が誰であろうが実際に人を達磨にすることに紫堂ならば躊躇いもしないだろう。
彼の冷めく、それでいて何処か熱を帯び始めた瞳をみてれば、それがわかってしまう。
そして、彼がやろうとしている事が徐々にだが俺にも理解できてきた。
――紫堂は涼子さんを使ってゲームをしようとしている
ただ犯すだけでも殺すわけでもない、彼女の理性を保ちながらその心を徐々に壊すつもりなのだ。
――『生き地獄』という言葉が脳裏に浮かんだ。
目の前の男は涼子さんが自ら死を望み、そして死ねないような状況を課そうとしている。
(その一翼を俺が担っているのか……)
今回の潜入でも俺の存在が彼女の支えになっている一方で、彼女の枷にもなっている。
俺の身の安全を守るためなら、彼女は自らの身を差し出すのを厭わないと確信してしまう。
(それなら対戦相手というのはなんだ?)
その疑問にも紫堂はあっさりと答えてくれた。
「蹂躙するだけならワンサードゲームでしかないからな。物事を楽しむなら対戦相手の介在が不可欠だよ」
「つまり、俺に彼女を守れ……いや、違うな……俺に彼女を奪えということか」
「はははッ、正解だよ。やはり、理解が早くて助かるよ」
今までもタギシさんとして彼は俺に欲望に忠実になれと告げていた。
俺の心からの願いは彼女を自分のものにすることだった。それは肉体的、社会的なことではない。彼女が心から俺のことだけを想うようにしたいというのが、俺の昏い願望なのだ。
それを忠実に実行して、紫堂が彼女の心を壊しきる前に俺が手に入れろと言っていると理解させられた。
「もう、迷ってる暇も立ち止まってる時間も十分に与えたはずだ。改めてキミの命は保証してあげよう。そしてゲームリミットはアレの心が壊れるまでだ」
「あぁンッ」
涼子さんの艶めかしい声が耳に飛び込んできた。
慌てて見ればシオさんが吊られた涼子さんの背後にまわり、彼女の身体に触れていた。
光沢ある黒いロンググローブに包まれた右手が涼子さんの豊かな乳房を鷲掴みしている。だが、それは愛撫などの呼べる優しいタッチなどではなく、ギリギリと指先が食い込んで今にも千切らんばかりの力の入れようだった。
アイマスクで目元を覆われた涼子さんが苦悶の表情を浮かべている背後に、憎々しく彼女を睨むシオさんの顔が見れる。
ガスマスクで顔の半分を隠しているとはいえ、そこに鬼女のような表情を浮かべているのは容易にうかがえる。
――ジャラリ……
そのシオさんが左手で握っていた鎖を引いた。それが繋がる先には、先ほどまで気を失っていた美里さんがいた。
涼子さんと同じく拘束衣を裸体にまとった彼女は首輪の鎖をひかれるとノロノロと四つん這いで涼子さんの前へと引き寄せられていく。
ポニーテルに結わえた髪を左右に揺らしながら進む彼女の表情からは、あの勝気そうな雰囲気が消えていた。
強者に腹を見せて服従をみせる牝犬のごとく、怯えた表情を浮かべて主の挙動を必死に見つめている。
シオさんは細かな指示を口にすることはなかった。わずかな身体の動作で指令を送ってくるらしく、それに美里さんもすぐさま反応してみせる。
言葉を発することもなく次々と機敏に反応する美里さんの姿は、まるでよく躾けられたサーカスの動物のようであった。
(会員たちのウサギ狩りの標的にされて、果敢に反撃を試みていた彼女がここまで従順にさせられるとは……えッ?)
屈服しきった様子の美里さんが、ゆっくりと顔を涼子さんの股間に埋めていた。
すぐさまピチャピチャと淫らな水音が響き始める。彼女の舌先が涼子さんの秘溝をなぞり、その奥へと侵入しているのだ。
「んッ……うふぅ……」
「あッ、あぁッ、ひゃめ……あぁぁぁぁン」
溢れ出す愛液に顔を濡れ汚しながら、美里さんは一心不乱に舌を走らせてクンニリングス没頭していた。
俺にアナル処女を奪われて、さらに憎き紫堂にも犯された涼子さんは、今度は同性による愛撫を受けさせられている訳だが、そこに嫌悪の気配はない。
それどころかシオさんによる苦痛から逃れるように進んで美里さんが与える快楽を受け入れてしまっているように見える。
それに苛立ったようにシオさんが背後から両手をまわして、乳首を貫くリングピアスへと指をひっかける。
「あぁぁ、ひひゃい……ひゃめへ、ひぎへるぅぅ」
乳首とはこんなにも引き延ばせるのかと驚かされるほど左右に引っ張られて、涼子さんが悲鳴を上げながら涙ながらに首を振る。
双方から与えられる苦痛と快楽に翻弄されて涼子さんは『人』の字に拘束された身体を悶えせ続けた。
かつては敏腕刑事として名を馳せた彼女でも抗える状況ではなかった。
牝の本性を曝け出されて確実に牝奴隷へと変えられている彼女を実感させられる。
だが、紫堂がいうゲームはまだはじまったばかりなのだ。
その証拠に彼がパチンと指を鳴らすと頭上に映像が投影される。
「さて、ではゲームをはじめるにあたり、少しばかりギャラリーが楽しめるように演出しようか」
映し出された映像には警察官の制服を着こんだ若き頃の涼子さんの姿が映っているのだった。
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