淫獣捜査 隷辱の魔罠

【78】 変わり果てた親友

 頭上のモニター表示される涼子さんの体内をしめす透視図。それが無ければ彼女に異形の淫具が仕込まれたのは分からないだろう。
 子宮内に潜り込み、まるで心地よい棲家とばかりに鎮座している異形の物体。そこを満たされる感覚は男には分からないが、ゾクゾクと身を震わせる彼女の反応から想像は容易だった。

「ううぅ、うあぁぁん」

 淫具から与えられる多福感を認めたくはないだろうが、身体の奥底から湧き上がる感覚にも抗えずにいる。
 身体の奥底から湧き上がる刺激は、下手な媚薬よりも強力な脳内麻薬を分泌させて、快楽に抗えずに依存するように心身を内から作り変えていくつもりだった。
 涼子さんは必死にそれに抗おうと理性を踏み留まらせるのに必死だった。
 それに追い打ちをかけるように蛍さんは操作パネルを操作すると、新たなロボットアームが拘束台の下から出現させる。
 そのアームの根元には注射針が取りつけられており、乳房をわし掴みにすると、その針を伸ばして乳首に突き立ててくる。

「――うぐぅぅッ!?」

 ゆっくりとシリンダー内の薬液が針から注入されていく。
 リングピアスに貫通されて硬く尖ったままの乳首が更に充血を増して、ひと回りも膨れ上がってしまう。
 それを左右の乳首に加えて陰核にも施される。同様の施術は横にいる美里さんも受けさせられていくのだった。

「これで、ただでさえ感じやすくなっていた秘所が更に敏感になったわよ。もう感じすぎて下着もつけられないわね」
「うぅぅ……」

 ふぅっと息を吹きかけられただけでも、今の涼子さんはピクピクと身体が震えてしまっている。
 蛍さんの口調では、その効果は恒久的に持続するように聞こえた。もし、それが事実ならば本当に服も着れなくなり、日常生活も困難になってしまうだろう。
 そこへ遠隔操作できるリングピアスの振動が少しでも加われば、彼女はいつでも悶えさせられてしまう。
 奴隷にしたいとは言った俺だが、彼女をそこまで追い込みたい訳ではなかった。

(あぁ、涼子さん……)

 次々と肉体改造をされていく事への恐怖や不安に苛まれていることだろう。弱々しい表情を浮かべていた彼女と一瞬だけ視線が交わう。
 その途端、ハッとしたように俺を見つめた後、わずかに微笑んでみせたように感じられた。
 ガリリッとボールギャグを噛み締めて麗しい眉目をキリッとさせると、凛々しい表情へと立ちなおしてみせる。

(――ッ!?)

 その一瞬の表情には見覚えがあった。有能な兄貴と比べられて落ち込んでいた俺を慰めてくれた彼女の姿と重なる。
 あの時も彼女も落ち込みたいことがあったはずなのに、俺には強がってみせて励ましてくれた。

(ハハッ、なんだよ、それ……)

 少なくともアナルの処女を奪い、自分を奴隷にして手に入れてやるとまでほざいた義弟にみせる表情ではなかった。
 大丈夫だからっと何度も言い聞かせて力づけてくれた彼女の言葉が脳裏で繰り返される。
 媚薬の強力な薬効が全身を侵食して、子宮に異形の淫具を仕込まれ、次々と肉体を改造されている。とても人の心配をしている余裕なんて彼女にあるはずもない。
 それなのに一瞬とはいえ、俺を気づかう様子まで見せた彼女の姿が俺の心を震わせる。

(まったく……お人好しが過ぎるよ……涼子さん……)

 俺の存在を認識したことで、彼女自身も弱気になる心を奮い立たせることに成功したようだ。
 黒い瞳にキラリと強い光が宿ると、紫堂も思わず舌を巻く強靭な精神力で媚薬による激しい疼きに拮抗してみせる。
 彼女の置かれた状況からして、それが一時的なものであるのは分かっているつもりだ。それでも、彼女が持ち直してみせたことが俺に勇気を与えてくれる。

(それに、あぁ見えて意外に根性論とか嫌いな人だからな……)

 刑事になっただけあって彼女は機転も効くし、頭もまわる。ただ、時折、暴走すると止めるのが大変なだけだった。
 そんな彼女が大丈夫だと言うからには、なにか根拠があるに違いない。ならば、今はそのなにかに縋らせてもらうしかないのが実情だった。
 圧倒的に不利な状況は変わらずなのに、俺の心は彼女のお陰で少し軽くなっていた。
 そんな涼子さんの頭を、目の前で漆黒のブーツによって踏むつけられた。

「あぁ、マジでイラつくッ!!」

 苛立ちのままにグリグリとブーツの底で彼女の頭を踏みにじる蛍さんは、無表情だったシオの時とは打って変わって感情を表に出している。
 背中に大きく彫られた刺青の鬼女の如く、恐ろしい形相で涼子さんを睨んでいた。

 「なんでアンタは、まだ耐えられているのよッ。リングピアスを付けられて、奴隷の刻印まできざまれて、今度は子宮にリグラーまで植えつけられたのよ?」

 まともな生活を送れないような状況に陥らされて、普通なら耐え切れずに心の逃避を試みるだろう。用意された肉欲に溺れて、マゾ地獄へと堕とされる、そういう算段だったに違いない。
 だが、痛みに顔を歪ませながらも涼子さんの顔には辛うじて理性を踏みとどまらせているのがわかる。その上、その瞳には変わり果てた親友の姿を映して憐みの色まで浮かべていた。
 憎しみの心を植え付けられた蛍さんにとって彼女をマゾ地獄に堕として、肉欲に溺れた無様な姿を晒して欲しいに違いない。
 彼女が苦しみ、泣き叫ぶようにじわじわと嬲りつづけられてれば愉悦に浸れていたのだろうが、怒りや憎しみではなく憐みの目で見られることには我慢がならないようだった。
 そんな憎しみに囚われた彼女が、俺の存在の大きさに気がついたようだ。お淑やかな和服美人だった時には想像も出来なかった邪悪な笑みを浮かべて涼子さんへと囁く。

「……なるほどねぇ……ウフッ……涼子ぉ、アンタのその心を支えているのは、あの義弟くんなのねぇ……それじゃぁさぁ、今度は彼も殺してあげれば、少しは絶望してくれるかな?」

 その言葉に俺はハッとしていた。
 もちろん殺意の対象として刃を向けられることを恐れてのことではない。彼女の言葉が意味することに気がついたからだ。

(今……彼も……と言ったのか?)

 その言葉の意味することは兄貴の死に対してしかない。
 涼子さんもそれに気づいたらしく、強張った表情で蛍さんを見つめ返していた。それに対して発言した蛍さんは上機嫌になって語りだす。

「そうだよぉ、アナタの旦那さんとは、つい最近まで会ってたんだ……ウフフッ、残忍ながら彼はすぐにアタシが蛍だとは気付いてくれなかったけどね。こんなに身体が変わっているのだものねぇ」

 爆乳と呼べる量感の双乳を自ら掴み上げて愉快そうに笑う蛍さん。その頭上には新たな映像が追加されていた。
 警察官の制服姿で映る兄貴の身分証明書だ。
 その死に関しては、ただの事故死の扱いなので殉職による二階級特進はないままだ。
 だが、涼子さんの上司でもあった駿河さんのいう通りに、兄貴は警察内に潜む内通者を炙り出すために秘密裏に捜査を進めていた。
 そうして、紫堂の組織へと接触をはかるうちに、シオとしての蛍さんに出会ってしまったのだろう。

(……そして……いや、まさか……)

 彼女の浮かべる邪悪な表情が、俺の推測が正しいと述べていた。
 そして、それを涼子さんには聴かせたくはなかった。
 だが、蛍さんはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら涼子さんの顔を覗き込み、ゆっくりと口を開いていく。

「ま、まって……」
「そうよ、アタシがあの人を殺してあげたのよ」

 組織の誰かが殺したのではなく、蛍さん自身が殺したと確かに告白してみせた。
 その言葉を耳にして涼子さんは驚愕に目を見開く。
 
(くそぉ、最悪だ……)

 親友による夫の殺害。これが紫堂が次に涼子さんを苦しめるために用意しておいた仕掛けだった。

(ここまで、するのかよ)

 悪趣味極まりない手だが効果は充分だった。
 気力を振り絞って自分を奮い立たせていた涼子さんが、みるみる動揺していくのがわかる。
 信じられない。いや、信じたくないのだろう。
 兄貴の死には俺も涼子さんも確かに疑念を抱いていた。
 それでも必死に助け出そうとしていた親友によって、最愛の人である兄貴が殺されていた事実は受け入れがたいものだった。

「アハハハッ、どう? これでもまだ憐れみの目でアタシを見てみるつもり? なんなら死に際のことも詳しく語ってみせようか?」

 明言はしていないが、性奴隷でもあったシオとしての蛍さんと接触していたのならば、二人が肌も合わせていたと見るべきだろう。
 それを捜査のためだからとして彼女が割り切れるのかも判断が難しい。
 畳み掛けるように語られる数々の事実に、流石の涼子さんも冷静ではいられない。
 その様子にようやく満足したらしい蛍さんは、渇いた唇を舐めると側で控えてた狗仮面の男たちに目配せする。
 黒い肌の屈強な男が涼子さんに、褐色肌の男が美里さんへと近寄ると、それぞれ手にしてベルトで彼女らの脚を拘束していく。
 足首を掴んでいたロボットアームから開放された美脚に膝を曲げさせ、太ももと脛に幅広のベルトを巻きつけていく。
 そうやって左右の脚に装着されたベルトによって、自由に伸ばせないようにされてしまう。
 すでにアームバインダーで両腕も拘束されている彼女らは、四肢の自由を奪われて自力で起き上がることすらも難しい。
 そんな涼子さんたちを見下ろしながら、男たちは身につけていた黒いビキニパンツを脱ぎ捨てていった。
 見事にシックスパックに割れた腹筋に、貼りつかんばかりに反り返った剛根が姿をあらわす。
 まるで子供の腕が股間から生えたかのような大きさを前にして、同性である俺すらも圧倒されてしまう。

「ウフフッ、凄いでしょうコレ、体力もあって絶倫だからね、どの人種の子を孕むのか今から愉しみよね」
「うぅぅッ!?」

 ジタバタと不自由な身体を捩り、少しでも逃れよう試みる。
 だが、その努力も脚を掴まれて一瞬で引き戻されてしまう。
 如何に格闘技に秀でて大の男たちを蹴り倒せる二人でも、アームバインダーと幅広のベルトによって手脚の自由を奪われていては、どうしようもない。
 必死に閉じようする脚を左右に押し広げられてM字開脚の姿勢にされてしまう。
 肉槍の切っ先が愛液を溢れさす肉溝に押しあてると、男たちは結合の体勢をせっせと整えていく。

「うッ――うぐぅぅッ」

 大胆に括れた細腰を掴み、ゆっくりと腰を押し出されていった。
 途端に、膣洞を押し広げて侵入してくる圧倒的な圧迫感に、ボールギャグを噛まされた口から苦悶の呻きがあがる。

「うふふッ、大きいけどすぐに馴染むわよ。むしろ、普通サイズでは満足できなくなるかもね」

 チラリとこちらへ視線を向けた蛍さんに、悪意を感じてムッとさせられる。

「うぐ、ぐぅぅぅ……」
「ほーら、亀頭部分は入ったわよ」

 インサートに入り、のっけからの荒々しい抽送へと続く。
 杭打ちの要領で剛直が次第に結合を深めていき、彼女の下腹部は突き上げる切っ先の形に盛り上がってしまう。

「ふッ、ふぐぅ……んふぅぅぅッ」

 ドスドスという音が聴こえてきそうなピストン運動。それは女の身体を労らない、男の欲望を吐き出す肉壺として扱う動きだった。
 激しく身体を前後に揺すられ、上向きでも形の崩れない双乳がユサユサと揺らされながら、涼子さんは墳辱に顔を染めながらも次第に悶えいった。
 それに呼応するように子宮内に潜んでいたリグラーが動き出す。スルスルと細く長い脚を触手のように伸ばして棲家から伸ばすと、子宮へと絡みつかせる。

「ーーおふぅぅッ!?」

 ギュウっと子宮を締付けて転がしてみせる。それに加えて普通なら刺激しずらいポルチオを重点的に責め始めるのだった。
 外からは屈強な男たちの豪根をブチ込まれて、内側からはリグラーによる急所責めだ。
 気力を取り戻した先ほど涼子さんならば、少しは耐えられたかもしれない。
 だが、兄貴をその手で殺してみせたという蛍さんの告白で心は大いに乱れていた。
 すぐに苦痛や屈辱などかんたんに吹き飛ばされて、ひと突きごとに潮を噴かされるほどに悶え狂わされることになる。

「おふぅ……おッ、おぉぉぉぅッ」

 黒い手に双乳をわし掴みにされて、滅茶苦茶に揉みたてられながら壁肉を容赦なく抉りとられる。
 凛々しい眼差しからは光が消え失せて、半ば白目を剥いては涙が溢れ続ける。
 存分に魅力の女体を犯し抜いていた男たちは、顔を見合わせると次の行動に移る。
 肉達磨のように折り畳まれた涼子さんたちを、軽々と抱えあげてみせたのだ。
 いわゆる駅弁体位に近い姿勢で彼女らを貫いたまた立ち上がる。
 周囲で愉しんでいたVIP会員らに見せつけるように身体をまわし、涼子さんたちの秘裂を引き裂かんばかりに押し込まれている剛直を誇示する。
 理想的な形をした双臀の下では、粘り気のある汁気にまみれた肉塊が出し入れされているのが嫌でも見える。
 男たちの手によって揺すられて、剛直を締め上げさせられる女体の様は生きたオナホールといった有様だ。

「おおぅッ、おぉぉぉんッ」

 まる雌犬の遠吠えの如く喘ぎ声をあげ続ける涼子さんたち。剛直によって掻き出された愛液と噴き出す潮がバシャバシャと派手に床を濡らしてみせる。
 再び淫獄へと引き戻された哀れな牝たちの姿に、ホール内は高ぶる興奮に包まれていた。

「ウフフッ、まだよ、まだ生き地獄をみせてあげるわよ、涼子ぉ」

 なにかに取り憑かれたように鬼気迫る雰囲気の蛍さんが、狗面の黒人に貫かれる涼子の背後へと忍び寄っていた。
 その手に掴まれているのは透明なホースに繋がったノズルだ。まるで消防隊の放水ノズルのような切っ先をゆっくりと彼女に近づけていった。

「この上、なにをするつもりなんだ……」

 涼子さんを犯す黒人は心得たように尻肉を掴んで押し広げると、無防備なアヌスが再び狙われる。
 丸みを帯びた先端が菊門に押し付けられると、すでに何度も肛虐を受けた肉門は、グリグリとこじ開けられるだけでノズルを受け入れてしまう。

「ーーんおぉぉぉぅッ」

 巨根相手に悶え狂わされている所にアナルにまで衝撃を受けて、ひときわ甲高い悲鳴をあげさせられる。
 肛門を深々とノズルに貫かれ、顎を反らせて呻く涼子さんの姿に、蛍さんはざまあみろと言わんばかりに邪悪な笑みを浮かべてみせる。

「これも、すぐに病みつきになるわよ」

 そう言いながらも、すぐには注入を開始しようとはしない。

「なに、もうアナルで感じてるの?」
「あの涼子が、実はアナル好きだったとか幻滅ねぇ」
「どうせ、ひとりでお尻でオナニーしてたのでしょう?」
「じゃぁ、念願のアナルセックスができて感謝しなきゃね」

 などと差し込んだノズルで可憐な菊座をまさぐりながら辛辣な言葉を投げかけていく。
 信頼していた親友の心無い言葉の刃が、涼子さんの心をさらに切り刻んでいった。

「うぅぅ……」
「泣くほど喜ぶなんてね、じゃぁ、存分に浣腸も味わいなさいよッ」

 ようやく手元のスイッチが押されると、透明なホースには水色をした液体が押し寄せてくる。
 それはホールの先端に到着すると、ノズルから腸内へと注ぎ込まれていった。
 同様のことが支配人によって隣の美里さんにも行われていた。
 駅弁ファックで犯されながら浣腸をされる二人。膣内は剛直に腸内を浣腸液で膨張させられ、腹が妊婦のように膨らまされていった。
 目を見開き悶絶する彼女らは、拘束された身体を激しく揺すられ、膣奥まで穿く肉棒を扱くように強要され続けるのだった。

「むぐぅ……ぐぇぇ……」

 腸内をパンパンに満たされた状態で膣壁を抉られて、拘束された女体が妖しく蠢く。

「どう、媚薬入りの浣腸ゼリーのお味は? 薬効は腸内吸収されて、浣腸液自体も体温で徐々に固形化していくわよ。あぁ、勿論、下剤効果もあるから安心してね」

 説明しているうちに涼子さんの腹部がうねり出してゴロゴロと腸鳴りを響かせはじめる。
 注入を終えてノズルが引き抜かれる頃には、激しい便意に苛まれていた。

「うぅぅぅ……」
「遠慮しないでブリブリと太いのをヒリ出しなさいよ。徐々にゼリーの濃度を上げて硬くしていってあげるわね。そのうち犯されながら排泄するのがクセになるわよ」

 便意で苦しむお腹を剛直で突き上げられて、黒髪を振り乱してさめざめと泣かされる。
 彼女を犯している黒人の男も女を責めるのに手慣れたもので、排泄欲求に抗いさらなる締め上げをみせる膣道を相手にしても余裕をみせている。
 双臀にまわした手でリズミカルに女体をあやつり、グイグイと突き上げる。たちまち半狂乱な状態に涼子さんを陥らせていった。
 そうしている間にも嫌でも便意は高まってきていた。
 そこに乳首と陰核を穿くリングピアスの共鳴振動とリグラーによるポルチオ責めが加わってくるのだ。
 媚薬の効果で苦しみもやがて快楽となって脳を震わせてくると、分泌される脳内麻薬によって容易には逃れられない魔悦に彼女は侵されていった。

「ひぃッ、ひぃぃ……」

 今度こそ涼子さんも気が狂うのではと思わされる激しい責めが続く。
 黒革の拘束具を軋ませながら汗でずぶ濡れの肉体を悶えさせる涼子は、全身に痙攣を走らせている。
 それは次第に大きくなり、彼女に激しいエクスタシーが迫っていることを教えていた。

「むぅ、むぐぅぅぅん……」

 そうして、ついに拘束された身を仰け反らせて絶頂を迎える。
 ガクガクと震える女体を落とすまいと男は涼子さんを抱きしめて、キリキリと強烈な締めつけに耐えてみせる。
 数秒の後、背を反らせていた全身から硬直が解けると、便意に堪えていたアナルも決壊を迎えた。
 ズルリと半透明な水色の物体が菊門から顔を出す。それは腸内で体温に温められた浣腸液がゼリー状に固まり、疑似便と化したものだった。
 ついに外界へと姿を現すと続くボディを途切れさせることもなくズルリ、ズルリを這い出してくる。

「おッ、おふぅぅ……」

 腸内にギッシリと詰められていたアナルゼリーが肛門から這い出てくる感触に、涼子さんは涎を垂らながらあきらかに快感を得ていた。
 足元でどくろを巻きながらも排泄は続く、その間に果てずに耐えた男もピストン運動を再開する。
 アナルゼリーを排泄しながら犯され続けるという、通常では考えられない悦楽を涼子さんたちは覚え込まされていった。

「くそぉ……」

 再び浣腸をされて、二度、三度とアナルゼリーを排泄させられながら黒人に犯され続けた。
 その光景に今度こそ涼子さんを壊されることを確信させられる。たとえ肉体が耐えられたとしても、もう彼女の精神の方が限界だった。
 たまらず椅子から立ち上がる俺だが、すぐさま脇に控えてた狗面男のひとりに強引に引き戻されてしまう。
 肩を押さえつけて再び椅子に座らせた男は、そっと俺の耳元へと囁くと涼子さんの元へと向かっていった。

(――なんだと? あの男、今、なんであんな事を言ったんだ?)

 アジア系の肌をした男は「もう少しだけ待て」とだけ呟いていったのだ。
 その直後、ホールには異常を知らせる警報が鳴り響きだしたのだった。


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