ボディ・スナッチャー

【3】ボディ・スナッチャー

 映し出された映像には、二本のポールの間に全裸で拘束されている20代らしき女性の姿があった。

――透き通るような白い肌を黒革の拘束具がギリギリと締め付け、四肢をX字になるようポールに固定されている。

――股間の繁みは剃られているのか、無毛の肉丘に百合の花の入れ墨が彫られているのが見えた。

――肉厚の首輪から伸びたハーネスが豊かな乳房を縊りだし、硬く尖った乳首と肉芽には貫通されたリングピアスが光る。天井から伸びたテグスによって引かれたそれらは、無残に伸ばされていた。

――拘束された全身は汗で濡れ光り、秘裂に押し込まれたバイブレーターが愛液を周囲にまき散らしている。長時間の責めで、女性の足元には体液の水たまりが出来ていた。

――噛まされたボールギャクから唾液を垂れ流しながら、それでも強い意志を込めた眼差しで、ギッと画面の方を睨みつけている。その勝気そうな顔立ちは、智奈によく似ていた。

「そんな……」

 ボンデージ姿の女が画面内へと入って来た。朱いエナメル衣装に身を包むのは、今と容姿が変わらぬ佐渡島であった。
 ニコニコと嬉しそうに笑みを浮かべては、拘束された女性の耳元へと愛の言葉を囁く。だが相手がそれを拒んでいるのは一目瞭然だった。
 佐渡島にはそれが見えてないのか、逆に満足そうに頷くと女の背後へとまわっていく。
 腰にトゲの生えたディルドを装着すると、その切っ先を女の尻谷へと押し付けた。
 目を見開き、苦悶の呻きを上げる女性。ろくに濡らしていないアナルへと佐渡島がディルドを押し込んでいるのだ。
 あまりの痛さに涙を流して首を打ち振る。その苦悶の呻き声にウットリとする佐渡島は、益々挿入を深めていくのだった。

「酷い……」
「ふふ、いつ聞いてもゾクゾクする声だわ」

 映像を見ながら顔を上気させる佐渡島は、興奮を抑えられずにスーツの上から自らの乳房を揉みたて、股間をまさぐる。
 その姿に嫌悪の表情を浮かべる智奈であったが、その表情は映像の女性と瓜二つであった。

「あぁン……その反抗的な目、それよ、それッ。優奈ではダメだったもの」
「貴女、優奈に何をしたのッ!!」

 激高した智奈の身体はすぐに動いていた。抑え込んでいたはずの双子の身体が宙を舞い、背中から床へと叩きつけられる。
 次の瞬間には、佐渡島へと掴みかかっていた。

「――ッ!?」
「ふふ、ざーんねん。やっぱり親子よねぇ、由奈と行動パターンがそっくり」

 指先が佐渡島の首に届く寸前、智奈の身体はピタリと停止していた。

「なッ、なんで……」

 正確には首から下が動かない。必死に首を振ろうとも、身体は指先ひとつピクリとも動かせないのだ。

「もぅ、お馬鹿さんね。ただの計測の為にそんなスーツを着せたと思うの?」
「じゃぁ、これが……」
「正解ッ。脊髄損傷で首から下を動かせない人の為に、スーツを通して身体を動かそうっと由奈の発案で作ってた品なんだけどねぇ。ふふ、こういう風に逆に生体電流を狂わせて自由を奪うことも可能ってわけ……最初にこれをやってみせた時の由奈も、今の貴女と同じいい表情をしてたわぁ」

 白衣のポケットから端末を取り出すと、画面を指でなぞる。それだけで智奈の身体は勝手に動きだした。
 股を見せるようにガニ股開きで立ち、両手は頭の上で組んで乳房を強調するポーズをとらされる。

「ふふ、たのしーッ」
「くッ、や、やめ……」

 佐渡島は智奈に様々な卑猥なポーズを取らせていく。その間に床に叩きつけられた双子も回復し、一緒に智奈の痴態を見てはクスクスと愉しげに笑っていた。
 そうして、床にお尻を着かされてM字開脚をとらされた。右手は乳房を揉み立て、左手は秘裂をまさぐりだす。

「そうそう、機能改良して今ではこんな事もできるのよ」
「――ひぃッ!?」

 佐渡島が端末を操作した途端、智奈の頭が仰け反った。

「身体の感度も増幅できちゃうのよ。ふふ、脳が焼ききれそうなぐらい感じちゃうでしょ?」
「ひぎッ、や、やめ……あぁぁンッ」

 自らの意思に反して指先が敏感な箇所をまさぐる。すると、視界が真っ白になるほどの激しい刺激が脳を襲う。
 それだけで軽く達してしまうほどの肉悦に、智奈は顎を仰け反らせたまま激しい喘ぎ声をもらしていた。
 股間からは激しく吹き出す潮がスーツ越しに見える。だが、勝手に動き続ける智奈の指に止まる気配はない。

「ひぃぃッ、らめッ、ひゃ、ひゃめへ……ひぃぃぃッ」
「あらあら、もう降参なの?」

 佐渡島は智奈の身体を蹴り倒すと、ヒールの切っ先を乳房へと食い込ませる。
 スーツは、その痛みすらも肉悦として増幅して、智奈に白目を剥かせて悶絶させる。

「ぎぃぃ、こ、こわれりゅ……」
「安心して、じっくり壊してあげるわよ。ふふ、だって気に入った娘を私好みの心身に組み直す、その為の選抜セミナーですもの」

 グリグリと智奈の踏み心地を愉しみながら、佐渡島は狂気に憑りつかれた笑みを浮かべる。
 その背後では白い床が次々と持ち上がり、六角柱状の物体がいくつも姿を現していく。柱の中には智奈同様にスーツを着させられた少女たちの姿があった。
 四肢をX字に拘束された身体にいくつものケーブルが接続され、頭部を覆う漆黒のマスクの口元と股間部から生えたパイプが床へと消えている。
 頭部も器具で固定されており、呻き声と共に僅かに震えるマスクの上には顔写真付きの学生証が貼られていた。
 そのひとつに優奈の顔写真もあったのだが、今の智奈がそれに気付くはずもなく、ただ激しい肉悦に理性を押し流されて喘ぎ続けるのだった。