催淫染脳支配

【5】 奪われる純潔

 潤は悪夢を見ていた。薄暗い闇の中で全裸で立っている自分に気がつく。足首までドロリとした粘液に浸され、周囲を見渡しても、ただ黒い水面が続くばかりだった。
 なぜ自分がそんな所にいるのかは、わからない。ただ言い様のない孤独感に襲われて肩を抱えてしまう。
 誰か居ないかと呼び掛けようとするも、口は開けど声はでない。まるで無声映画の中にいるかのような静寂な世界だった。
 ならばと歩き出そうとすると脚が動かないことに気がつく。まるで泥沼に嵌まりこんでしまったかのように両脚がピクリとも動かない。それどころかズブズブと沈みだしてもいるのだった。
 まだ動く両手で脚を引き抜こうとするも、なにかに掴まれてるかのようにビクともしない。膝、太ももと水面へと沈んでいき、すぐに腰まで水面へと飲み込まれていった。
 抗おうにも相手が水面では空手も役に立ちはしない。みるみる肩まで水没して、声のならない悲鳴をあげる。誰かに助けを求め続けるのだが、その願いも虚しく全身が水没してしまう。
 粘液が全身にまとわりついて自由が奪われていく中、堪えきれずに吐き出した気泡がゴボゴボと水面へと上っていった。
 それと入れ替わるように侵入して粘液が体内に侵入してくると、肉体が黒く染まり次々と汚染されていった。
 そして、肉体だけでなく心までもが真っ黒に染め尽くされていくのだった。

「うッ……うぅン……」

 悪夢にうなされて目覚めた潤であったが、頭も身体もズッシリと重く、思考がまわらなかった。
 だから、自分がどんな状況にいるのか理解するまで、時間がかかってしまっていた。

――潤は、まだ黒い椅子の上にいた。だが、それは浅い位置に腰を下ろした状態で、両脚を肘掛けに載せるようなポーズをさせられていたのだ。いわゆるM字開脚の姿勢で、そこに左右に伸ばした腕がそれぞれの脚に重ねるように置かれていた。

――幅広のベルトで肘掛けごと手足を厳重に縛られてピクリとも動かせず、その上、両手は握り拳の状態から小さな袋を被せられていた。

――口には顎が限界まで開くようなリングギャグが噛まされ、リングから伸びたベルトが頬にキツく食い込み、鼻先から頭頂へと抜けるハーネスと合流すると後頭部できつく締め上げていた。

――噛まされたリングからはポンプに繋がったチューブが垂れ下がり、挿入されたゴム製のバルーンが口腔いっぱいに膨らまされているのだ。 まるで餌を溜め込んだリスのように頬がパンパンに膨らみ、舌を押さえつけているので、喋るどころか口で呼吸するのも難しい状態だった。

――椅子の上で大股を開いて秘部を突き出した卑猥なポーズを強要されているうえに、その身体には亀甲状に繋がれた黒いハーネスが絡みついていた。

――隙間から双乳を絞り出し、ウエストをギリギリと締め上げるハーネスは、臍下で合流すると股間の陰唇を押し分けるように縦に食い込んでいる。ハーネスの毛羽立った裏地が肉芽に押し付けられて、わずかな動きでも敏感な部位に刺激を与えてきて、無意識のうちに腰を揺らしてしまっているのだった。

 腰の下にはクッションが押し込まれているとはいえ、強要された姿勢は柔軟性に富む潤の身体でも負担は大きく、全身が悲鳴をあげはじめていた。
 自由になろうと身を捻ってみたものの、ギチギチと革がしなる音がするだけで拘束が緩む気配はない。それどころか股間に食い込んだハーネスが秘部を刺激して、甘い痺れを巻き起こしてしまうのだった。

(うぅ、なんて恥ずかしい姿をさせられてるのよ……)

 次第に状況を理解していくと、自分の卑猥な姿に赤面してしまう。同時にそれを強要されていることに激しい怒り感じるのだった。
 その矛先は周囲に次々とビデオカメラを設置している莉乃へと向けられることとなった。

「あれぇ? なぁにぃ、その怖い目……もしかして、潤ちゃん……怒ってるの?」

 自分に向けられる視線の理由が本当に理解できないのか、莉乃は小首を傾げて考えだす。
 だが、すぐにそれを放棄すると不機嫌そうに眉をしかめた。

「まぁいいや、どっちにしても私の気分が悪くなったのに変わりがないから……ねぇ、潤ちゃん、私はもう我慢して良い子を演じるのをやめたの。ご主人様に心の枷を壊してもらって、今は凄く心が軽いんだよぉ」

 莉乃は宙を仰ぎ晴々とした笑顔を浮かべる。まるで神に感謝する敬遠な信者のように清らかな顔だった。
 だが、次の瞬間にはそれが鬼のような怒りの形相へと一転していた。

「だからさぁ、今、滅茶苦茶腹が立ってるのッ、さっきまで私の指にアンアンいい声で啼いてたじゃんッ、受け入れてくれてたでしょッ」
「んッ、んーッ」

 莉乃の言葉に弁明しようとも口の中のバルーンがそれを許さない。舌を押し付けて口腔を隙間なく埋めるバルーンによって、潤の主張は低い呻き声へと変えられてしまう。

「酷いよぉ……折角、私の本当の想いを打ち明けたのに……こんなに愛してるのに……潤ちゃん……いいえ、もう潤って呼ぶね。潤はやっぱり私のことを拒絶するんだね」

 今度はポロポロと大粒の涙をこぼしはじめる莉乃に、潤は戸惑いを隠せないでいた。不安定なほどに感情が入れ替わり、それについていけないのだ。
 ただ、それでも親友がひどく傷ついているのだけは確かだった。それを慰めたくても拘束されている身では叶わなかった。

「あーぁッ、やっぱりご主人様が言うとおりになっちゃった……潤は絶対に私を拒絶するって……」
「んんーッ、んーッ、んーッ」

 哀しみ疲れた表情を浮かべる莉乃に、ズキッと潤の胸が激しく傷んだ。

(女の子同士の愛って、アタシにはわからない……だけど、莉乃が大事な存在なのは昔から変わらないよッ)

 ガックリと俯く莉乃に必死に声をあげて想いを伝えようとする。だが、すでに目の前の彼女の心はここにはいなかった。徐々にその目から光を失われ、澄んでいた瞳が濁っていくのがわかってしまう。

「でもいいんだ。ご主人様に忠告してもらってたから……こうして逃げられないようにすれば、ずっと私のモノにできるしね」

 そう呟いて顔をあげた莉乃の顔には狂気が宿っていた。ゾッとするほど昏く冷たい眼差しに潤は鳥肌を立ててしまう。
 その柔肌を優しく撫でながら、莉乃はニッコリと笑顔を近づけてくる。

「安心して、潤の心も身体も全部が私のモノになったら解放してあげるから……うふッ……うふふッ……潤は何日耐えられるかなぁ、ご主人様が私にしてくれたように、じっくりと時間をかけて心の枷を壊してあげるねぇ」
「ううぅ……」

 覗きこんできた莉乃の瞳は凍てつく氷のように冷えきって、感情を感じさせないものだった。
 まるで莉乃を模したマネキンを相手にしているかのようで、言い様のない不気味さを感じてしまう潤だった。



 カメラの電源が入れられると、その映像が壁に投影された。大写しで白い壁に映すだされた拘束された潤の姿。
 それをバックに黒光りするペニスバンドを装着した莉乃が、冷たい笑みを浮かべて立っていた。

「これで愛してるあげるね」

 男性性器を造形したディルドー は、亀頭が大きく傘開き、プツプツと所々にコブをもつ根茎は少女の手首ほどの太さを誇っていた。まるで毒キノコのような異形の存在に潤は恐怖で顔を強張らせた。

(あれがオチ×チンなの……お、弟たちのは、あんなに可愛らしいのに……)

 長女として幼い弟たちの世話もする潤であったから、男性性器は見慣れているつもりだった。
 だが、目の前でそそり立つ怒張は模造品とはいえ、生々しい造形で存在感があった。自らが描いていたイメージが間違いであったと思い知らさせるには充分なモノであった。

(ムリッ、ムリよ……そんなの入らないッ)

 実際の平均的なサイズよりもふたまわりは大きいモノであるのだが、性の知識に疎い潤にはそれはわからない。
 ただ、その異物によって大切な純潔が奪われようとしている事実だけは変わらない。それも親友と思っていた幼馴染みの少女によってだ。

(くぅッ……このぉ、ほどけてよッ)

 普通なら非力な莉乃に日々の鍛練を欠かさない潤が負けるはずもなく、簡単に退けたことだろう。
 だが手足を椅子に厳重に縛りつけられており、身動きすらままならない現状では、いくら空手に秀でていても無力に犯されるしかない状態なのだ。

(嫌だ……嫌だ、嫌だッ、こんなの嫌だよぉ)

 不気味に傘開く疑似男根に迫られて、心が恐怖でいっぱいになる。
 それを楽しむかのように莉乃は、潤の秘唇にコブだらけの茎胴を擦りつけて、恐怖を煽ってきた。

「どうしたのぉ? 早くしないと入っちゃうよ、潤は強いんだから抵抗してみなよぉ」
「うぅ……ぐぅ……」

 ディルドーがスライドするたびに茎胴のコブが敏感すぎる肉芽を刺激してくる。
 甘い刺激に脳が震えて、肉体は敏感に反応してしまう。次第に秘唇から染みだした愛液がヌチャヌチャとディルドーを濡れ汚していくのだった。

「潤の身体は欲しいって私を求めてるみたいだよぉ。だから、素直に私を求めてくれるなら優しくしてあげるけどぉ?」

 悔しさに目尻に涙が浮かんでしまう。それでも、折れそうになる心を奮い立たせてギッと睨み付ける。
 今までの莉乃ならそれで怯えて尻込みしただろう。だが、今の莉乃はせせら笑いを浮かべて見下してくるのだった。

「ホントに意地っ張りだよね。内心では怖くて堪らないのに強がっちゃてさぁ……ホント、ムカつくッ」
「――んんッ」

 プックリと充血した秘唇にディルドーの切っ先が押し付けられ、ズブズブと挿入され始めた。すでに充分に潤っていた肉洞は異物の侵入を許してしまう。
 ディルドーが体内に埋め込まれていく光景は、設置されたカメラに撮られて壁にアップで映し出されている。そのため、嫌でも潤の目に入っていた。
 はじめて受け入れる異物の感触に、信じられないものを見るかのように、潤の目が見開かれていく。

「ふふ、潤の処女膜に到着……あぁ、私が潤のはじめてを貰えるのねぇ、嬉しいなぁ」
「んんーッ、んーッ、んンーッ」

 涙目で必死に止めるように訴える潤。だが、その言葉は口腔を埋めるバールンによって、ただの呻き声にしかならない。
 それを甘美なBGMかのようにウットリと聞き惚れていた莉乃は、下唇を舐めると残忍な笑みを浮かべて一気に腰を突き入れた。

「んぐぅぅぅッ」

 身体が引き裂かれるような衝撃に、潤が苦悶の呻きをあげて首を退け反らせる。
 その姿に莉乃はゾクゾクと身を震わせて恍惚の表情を浮かべていた。

「あぁン、いい声……それだけで……あぁン、逝っちゃいそう……ねぇ、もっとッ、もっと聞かせてよぉ」
「んぐ……ぐぅぅ……むぐぅぅ……」

 痛みに仰け反る潤に構うこともなく、莉乃は興奮で息を荒らげながら腰を動かしはじめる。
 小刻みにスライドを繰り返して、固く狭い膣洞をメリメリと抉じ開けながら、より深い結合を果たしていく。

(うぅ、酷いよぉ、こんな風にはじめてを体験するなんて……)

 大切な純潔を失った事実とそれを行ったのが同性である親友ということが、より哀しみを深いものとしていた。
 莉乃の行為は絶対に許されることではなかった。だが、その切っ掛けとなったであろう彼女の孤独もわかってしまうだけに憎みきれないのだった。
 そうしている間にも挿入は続けられ、巨大な異物が体内へと侵入してくる。
 初々しい粘膜を残忍にえぐり、花弁をめくりあげる痛みに、潤は勝ち気な面差しを歪めて苦悶の呻きをあげ続けてしまう。
 出し入れが繰り返されたびに破瓜の血が滲み出してディルドーを伝って床へと滴り落ちる。
 純潔の証である血がディルドーを濡らす光景に、莉乃は強い興奮を感じていた。より愛する相手に自分を刻み込もうと、より強い挿入をおこなっていく。

「あぁ、潤……潤……大好きだよ……もう誰にも渡さないから……もう誰にも邪魔はさせないから……潤は私だけのものだよ……」

 潤の腰を掴むと、莉乃は取り憑かれたように熱い愛を語りながら潤の肉体へと楔を打ち込み続けた。
 だが、今の彼女には目の前で痛みに呻き、ポロポロと涙をこぼす潤の姿が見えていなかった。

――ただ愛しい人に、愛されたい

 密かに秘めていた叶うことのない願い。その強すぎる渇望が、彼女を暴走させ、より深くて昏い闇へと堕としていくのだった。



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