隷属の交換契約 ー変えられた僕の幼馴染みー
【10】淫魔たちの獄宴
ネオンが燐く夜の繁華街。居酒屋やバーが軒を並べる区画にミカ姉の姿はあった。
アイシャドウを入れて派手な真紅のコート姿でカツカツとヒールを鳴らして歩いていると凄く大人びて見える。
さらに背中まである長髪のウィッグを被ってマスクで口元を隠しているのだから、親しい者であっても、それが彼女とはすぐに気付けないだろう。
事前に準備している映像も見ているから、そのコートの下がどうなっているかも知っている。
例の娼婦のように卑猥な黒い下着だけで、それも淫具を取り付けられた状態で歩かされているのだ。
コートの前掛けボタンは、わざとひとつしか掛けられていないから、胸の谷間どころか、危うく乳輪すら見えそうなほど際どい露出状態だ。
一歩前に脚を踏み出すだけでもガーダーストッキングに包まれた太ももが露出して、穴あきショーツが見えないかとヒヤヒヤしてしまう。
実際にも、ほろ酔い気分の酔っぱらい達が、すれ違いざまに前屈みになって露骨に覗き見しようとしていた。
「んッ……んんぅぅッ」
突然、ミカ姉の立ち止まり、呻きを上げてプルプルと肩を震わせた。
一拍おいて、高いピンヒールを履かされた不安定な足元がグラリとよろけると、すかさず横にいる南波が彼女を抱き止める。
傍目にはアルコールのまわった彼女を介抱しているように見えなくもない。
だが、実際には巧妙にカモフラージュされた街中での連れ歩き調教の最中なのだった。
目聡い者なら首にはめられた首輪やストッキングに挿し込まれた、いくつもの派手なピンク色の電源ボックスに気がつくだろう。
そこから伸びたコードが股間へと消えているのは、前後の穴に複数のローターが挿入されているからだ。
わずかなモーター音を響かせるコートの下では、
秘所から溢れる愛液がポタポタと滴り落ちていた。
彼女が歩いていた路面には、点々と濡れ痕が残されており、今も淫具によって軽くイカされてしまって愛液の量を増やしているのだった。
「凄いなぁ、見てみろよ。手がふやけてしまいそうだぜぇ」
股間に触れた指先が激しく濡れているのを見せつけられて、ミカ姉は恥ずかしげに顔を背ける。
その柔肌は湯上がりのようにほんのりとピンクに染まり、髪型や化粧もあって随分と大人びて見える。全身から漂う色気に、僕はドキっとさせられて生唾を飲み込んでいた。
「やれやれ、睨みつけなくなったけど、まだまだ従順には程遠いよなぁ……なんなら、コートを剥いで歩かせてみせようかぁ?」
「――んんッ!?」
南波の提案にミカ姉は顔を強張らせる。南波に支えられながら絶頂の余韻で両脚を震わせる彼女は、密かに拘束もされていて抵抗を封じられていたのだ。
マスクの下には、リアルな男根を造形したディルドゥを咥えさせる口枷を噛まされ、背後にまわされた両手は親指同士を拘束されていた。
指錠という小さな拘束具で繋ぎとめられているのだが、ポシェットを持たせて隠されれば気付きにくいのだった。
「……冗談、冗談だよ」
そう南波は笑ってみせたが、その目はちっとも笑ってはいない。今のは警告だったと僕には感じられた。
媚薬で発情させたミカ姉を自宅で犯し続けた南波は、最後には失神してしまった彼女をよそに高いびきをかいて心地よさげに仮眠をとっていた。
そして夜になると、こうやって彼女を連れ出して夜の繁華街を歩かせているのだった。
媚薬の効果が薄れたのか、彼女の瞳には理性の光が戻っていた。だが、以前よりも抵抗が弱まったように見えてしまう。
「そう怯えるなって、アイツが憧れる黒帯で強いミカ姉なんだろぉ? そんな未可子が俺好みのエロい格好でデートしてくれてるんだからよぉ、俺は舞い上がってるんだぜぇ、もっと俺を喜ばせてくれよなぁ」
恋人気取りでミカ姉の肩を抱いて、南波は耳元でなにやら囁いているのだが、その一方では肩を掴んでいた手が移動すると、コートの襟元から中へと入っていく。
そして、周囲に見せつけるように乳房を揉み上げてみせるのだが、そんなことをすれば、当然のように周囲の注目を浴びてしまい、そしてコートの下が裸同然なのもわかってしまう。
「――うんんッ!!」
「うるせぇな、黙って乳を揉まれてろよッ。なぁ、誓ったよなぁ、俺のモノになるってさぁ、何ならここでその証拠をまわりに見てもらおうか?」
そう告げた南波のもう片方の手には、スマホが握られており、その画面には朝の玄関先で必死に訴えていた彼女のシーンで動画が停止しているのが見える。
再生ボタンに触れれば、その動画は動き出す。恐らく大音量で彼女の恥ずかしい音声が再生されるのは、想像するのも容易い。
それどころか、これ以上機嫌を損ねればネットに上げることもやりかねない相手なのだった。
見るからに彼女の抵抗が弱まり、相手にされるがままにコートの前ボタンが外されて、注目される中で荒々しく乳房を揉まれてしまう。
コートの隙間からは卑猥な下着も穴あきショーツも垣間見えていた。
当然のように派手なピンク色のコードが何本も股間に伸びているのも見えるから、カンの良い人ならその意味がわかるのだろう。
露骨にニヤニヤする男たちが次々と集まり、思わず立ち止まろうとする彼氏で揉めるカップルまで出てくる始末だ。
傍からみればミカ姉らは痴女の彼女と露出プレイを愉しむ変態カップルに見えることだろう。
周囲から向けられる羨望と嫉妬、そして侮蔑の視線が全身を貫き、憤恥の想いに勝ち気だった彼女の目尻に涙が浮いてしまう。
「以前なら南波の手なんか振り払って、強烈な蹴りを喰らわせていたのに……」
南波による数々の策略は、確実にミカ姉から抵抗する気力は削いでいた。
観衆の前で胸を揉まれながら、彼女はグッとなにかに耐えていた。
それが恥辱に耐えているだけでなく、湧き上がる快楽に流されまいと堪えているようにも僕には見えてしまう。
「くそぉ……んッ!?」
そんな彼女の姿を撮っているカメラの位置は、あきらかに第三者によるものだと今更ながら気がついた。誰かがふたりを隠し撮りしているのだ。
「なら仲間のふたりだよな……くそッ、やっぱりミカ姉は騙されてるんだよ」
それがわかったからといって、状況は変わらない。
南波に誘導されるように歓楽街の奥へと進む彼女の姿を見ているしかなかった。
ふたりは、ビルの隙間を縫うように抜けて、どんどんと寂れた区画へと入っていく。その辺りはガラの悪い連中がたむろしていて、治安が悪いことで有名な場所だった。
周囲の街並みも変わり、大人の玩具を並べてポルノ映像を軒先で垂れ流すような、いかがわしい店が並びだし、街角に立つ肌の露出が激しい娼婦らしい女性やチンピラ風の男たちが、露骨にジロジロと見てくる。
そんな場所でありながら南波は臆する様子もなく進んでいくのだが、その足取りには迷う気配はなかった。
「こんな場所……いったい何処に行こうとしてるんだ?」
疑問に思う中、南波はある雑居ビルへと入っていくのだが、外には看板もろくに出ていないので中にあるのが店なのかもわからない。
それでも南波は躊躇せずに扉のひとつを開けて入っていくと、カメラはなぜかそこで止まったままになった。
画面端に表示されるタイムレコードが早送りに
なり、三十分があっという間に経過する。
「なんだよ、どうして動かないんだよ……あッ、やっと動きだした」
ようやくカメラの映像も店の中へと進むと、対応にでてきた店主とおぼしき初老の男はカメラを咎めるでなく、黙って顎で先に進めと促してくる。
店内は広い空間をレースのカーテンでいくつも間切りしてあり、その分けられた場所にはそれぞれ長椅子が置かれていた。
その多くに複数の男女が座り、アルコール片手に談笑しているのだが、中には盛り上がってキスを交わす者やあきらかに性行為をしている者まで混ざっている。
――ハプニングバー
そう呼ばれる店があるのは僕も漠然とした知識で知っていた。確か、様々な性的嗜好を持った人たちが集まる店で、そこで起こる性的なハプニングを愉しむ場所らしい。
もちろん実際に見るのも初めてで、そんな場所が近所にあるなんて知るはずもない。
カメラは店内にいる人の目を避けるようにして止まると、ある席にピントを合わせる。
そこには長椅子に並んで座るミカ姉の姿があるのだが、その両側には知らない男女が座り、彼女の身体を弄っていた。
金髪に染めて肌をこんがりと焼いた女が、ミカ姉と唇を重ねて、舌を絡める濃厚なキスを交わしていた。
ローライズのホットパンツに下乳が見えるような丈の短いシャツを着ているような女で身体中に彫り込んだタトゥーやピアスが目につく。
コートを脱がされて下着姿になったミカ姉。その顎を女の手が押さえてキスを強要しながら、もう片方の手がショーツの切れ込みからを秘部をまさぐっている。
「ぷはぁ……あン、あぁン……あぁ、だめぇ」
「嘘つきねぇ、オ×コをこんなにヌルヌルにしているくせに」
「そ、そんなこと――んんッ、うふぅ……うむふぅ……」
欲情して瞳を潤ませる女は、なにか言おうとする彼女の口を塞ぐように再びキス唇を重ねると、同性特有のネットリした愛撫で次第に骨抜きにしていった。
そして、もうひとりはレザー製のシャツに革ズボンといった服装の三十代の男で、スキンヘッドに蜘蛛のタトゥーを入れているのが特徴だ。
ミカ姉の背後から両手をまわして双乳を掴み、その弾力を愉しむように揉み上げては、ニップルニングが巻き付く乳首を指の間に摘んでみせて、切なげな声を漏らさせていた。
徐々に乱れていくミカ姉の反応に、女と視線を合わせてニンマリすると、目の前の首筋に舌を這わせ、耳を甘噛しては身悶えさせる。
振りほどこうにも両手は改めて背後で拘束されているようで、男女に挟まれた状態から抜け出せないでいた。
「いったい、なにが起こっているんだ!?」
離れたところに座り、ニヤニヤと笑ってアルコールを飲んでいる南波の様子から、どうやら店内で知り合ったカップルに、ミカ姉を貸し出したのだと理解する。
カップルによって激しく乱される彼女の様子に、他の席から覗きに来る人が増えてくると、それに気を良くした彼らは、さらに過激になってミカ姉を追い込んでいった。
「あぁン、そこ汚……あぁ、ダメよぉ」
長椅子に押し倒されたミカ姉の股間に、女が顔を埋めて舌を使い始めた。
包皮を剥いたクリ×リスを丹念に舌で転がして彼女に顎を仰け反らせれば、慣れた指さばきで肉襞をまさぐっていく。
「んんぅ……あッ……あぁン、イヤ、イヤぁぁン」
「嘘つきねぇ、ほら、こっちは痛いぐらいギュウギュウと指を締め付けて喜んでるわよ」
次第にクチュクチュと淫らな水音が周囲に響かせはじめて、ギャラリーに聴かれる恥ずかしさに彼女は涙ながら身悶えする。
だが言葉では拒んでいるものの、女の愛撫に抗えない様子で同性からはじめて受ける愛撫に蕩けさせられてしまう。
その光景に、両乳を愛撫していた相方の男も昂ぶったのか、激しく勃起した男根を露出すると彼女の口元に押し付けてくる。
「ほら、俺も気持ちよくしてくれよ、彼氏からは許可を貰ってるぜ」
突きつけられた肉塊に戸惑いの表情を浮かべた彼女だが、男の言葉に観念したのか、おずおずと口を開くと目の前でトロトロとカウパー氏腺液をたらす亀頭へと舌を這わせていった。
「おぉ、ぎこちない舌使いだが、筋は悪くねぇなぁ、彼氏を喜ばせられるように、俺がいろいろレクチャーしてやるよ」
尊大に語ってみせた男は、細々とした指示をだしては口腔奉仕の仕方を教え込んでいくのだが、女の愛撫によって夢心地にされている彼女は素直にそれに従ってしまう。
傘裏を舌先でなぞらせ、陰嚢にまで丹念に舌を這わさせると、今度は口に咥えさせる。
「彼氏に聞いたけど、アンタはマゾなんだってなぁ、こうやって喉奥までゴリゴリ削ってやると喜ぶドMだってなぁ……おぉ、いい締め付けだな」
「んん!? うぷッ……うごぅ……ごふぅ、おごぉぉぉッ」
「あら、本当ね、さっきよりも強く締め付けてきたわ……うふふ、ならこっちも挿れてあげないと可愛そうよね」
前もって段取りが付いてたのように、周囲のギャラリーからペニスバンドを受け取った女はそれを装着していく。
黒光りする擬似ペニスを生やした女は、嗜虐の笑みを浮かべてみせる。
「うふふ、そーれ、挿れるわよ」
愛液が溢れ出す秘裂へと切っ先を押し当てて、ゆっくりと腰を前に進める。
「んんんーッ!?」
その気配に身体を強張らせる彼女だが、女の愛撫で蕩けきった肉体は拒むどころか歓んで受け入れてしまう。
ズブズブとディルドゥを挿入されて隙間からグジュリと愛液が溢れ出す。そのまま根元まで腰を進めれば、大きく開かされた彼女の両脚がピンと伸びて指先を曲げで震えていた。
「うふッ、ホント、カワイイ。もっと虐めたくなっちゃうなぁ」
ゆっくりと腰を動かしてピストン運動をはじめるとペロリと舌を舐めて、ミカ姉にイラマチを行う男と欲情した顔で見つめ合う。
「んぐえぇぇ……ごぽぉぉ……んごぉぉぉぉ」
喉奥まで肉塊で塞がれて呼吸もままならないのだろう。
濃厚なキスを交わしはじめたカップルの下で、上下の口を貫かれた彼女は拘束された肉体が激しく暴れさせると、彼女のものとは思えない凄まじい呻きを響かせていく。
「おうおう、流石はマゾだな、お漏らししたみてぇに、すげぇ濡れようだな」
「ホント、持って帰って一晩中でも泣き狂わせてあげたくなっちゃうわ」
そこまで言ってふたりは周囲を見渡して苦笑いを浮かべる。すでに店中の客がギャラリーとして集まっていたのだ。
「まぁ、ひとりじめは悪いよな」
「そうね、なら派手にイカせてみようかしら」
女は近くのサイドテーブルに置かれたコケシ型の電動マッサージ機を手に取ると、本格的なピストン運動に入りながら、振動する先端を勃起するクリ×リスに押し付ける。
「んーッ、んんーッ!!」
激しい突き上げに彼女の腰がクイクイと前後に揺れて、肉棒を咥えさせられた口から激しい呻きをあげる。
男の方もそれに呼応するように、仰け反るミカ姉の頭部をガッシリと掴み、容赦ないイラマチを開始する。
鼻先に陰嚢を押し付けながら挿入を繰り返されて、喉の表面が行き来する亀頭の形に盛り上がるのが見える。
ガボガボと異音とともに体液を掻き出されて、見開かれた両目からは涙が溢れ出し、吹き出る鼻水や涎で彼女の顔は酷い有様になっていた。
カップルによって生けるオナホールと化したミカ姉だが、次第に苦しげな呻きの中に甘い音色が混ざりはじめていく。
その姿だけをみれば、彼女がマゾだと信じてしまうだろう。
触発されてギャラリーのカップルの中にはSM的なプレイをはじめる者たちがいたのだが、多くの者たちは目の前の狂宴に混ざりたいようで、今か今かと焦れているのがわかる。
そして、カップルの責めもついには終わりを迎えた。
「おぉぉぉ、くぅ、出すぞ」
「ほら、アンタも派手にイッちゃえ」
「――んッ、ぐぅぅぅッ!!」
男が身を震わせて射精を開始した。白濁の性液を喉で受け止めさせられると、ミカ姉と女も身体も強張らせて激しい絶頂を迎えるのだった。
「よぉし、待ちかねたぜ交代しようぜ」
「おいおい、俺も待ってたんだぜ」
「彼氏に聞いたぜ、喉奥まで咥えさせたり、ケツ穴まで犯されるハードなのが好みなんだってなぁ、いざとなれば三穴同時でもイケるだろ」
休む間もなく、今度は群がる何人もの相手をさせられそうになって流石に彼女も拒もうとしたようだ。
だが、離れて座る南波の冷たい目と合うと、それを実行することが出来ずにいた。
拒絶がないのを良いことに、彼らは南波のマゾだという言葉を信じて、よりハードに責め立てるつもりのようで、指錠を外し、縛りの心得がある客が緊縛を施していく。
柔肌に麻縄が喰い込み、ギリギリと締め上げていくと、亀甲縛りと呼ばれる六角形に縄目のある形で身体を締め上げられてしまう。
その上、天井の梁に通した縄に両手が吊り上げられて、爪先立ちになるまで引き上げられる。
さらに右足にも膝と足首に縄が巻かれて、膝が乳房に触れるほど吊られてI字バランスのような姿勢にされてしまうのだった。
「あぁ、イヤぁ……恥ずかしい……」
「なら、これを付けてあげるわね」
秘部を大勢にさらすポーズに涙を浮かべて赤面する彼女に、女性客がすかさずアイマスクを装着してしまう。
「目が見えないと感覚が敏感になるでしょう?」
「あぁぁン、恐いわ……」
「なぁに、俺らがすぐに気持ちいい事しか考えられなくしてあげるよ」
不安げに口を開いておののく彼女に女性客が囁きながら、耳に熱い息を吹きかける一方で、周囲から監督と呼ばれるサングラスと髭面の中年男性が唇を奪う。
それ以外にも周囲から伸びた手が縄目から出た乳房を揉み、乳首を摘み、上気してピンク色になっている柔肌に指を這わせていった。
「あぁぁン、だめ――うむぅぅ……むぐぅ……んんッ……うふぅ……」
なにか訴えよう唇を振りほどこうとも、すぐに次の相手のキスで塞がれてしまう。老若男女に舌を吸われては、その相手の唾液を嚥下させられる。
アイマスクによって視界が封じられている為に、普段より敏感に感じられてしまうのだろう。競うようにテクニックを駆使してくる愛撫によってよがらせられて、次第に他の事が考えられなくなってしまう。
「ねぇ、気づいてる? オマ×コが物欲しそうにぱっくりと口開けて、ダラダラと愛液を垂らしてるわよ。太ももまでビッショリと濡れてるからわかるよね」
「うふふ、さっきから腰が切なげに揺れて触って欲しそうだもんねぇ」
「あぁン、両耳に舌を入れないでぇ」
左右からレズカップルが耳元で囁いて、言葉責めを愉しんでいた。
参加している全員が、しめし合わせたように下半身には触れずにいたのだが、それには意図があったようだ。
今も触れそうで触れない指の動きで翻弄し、彼女を焦らし続けている。
「このお店のルールでねぇ、無理強いはダメなのよ。だから可愛がるのは、ここまででストップね」
「はぁ、はぁ、はぁ……それって……くぅふぅン」
「そうよぉ、だから何かして欲しいなら、ちゃんと上の口で言わないとねぇ、彼氏にはどう言ってるの? お姉さんたちに教えてよぉ」
レズビアンによる陰湿ですらある焦らしプレイの成果を、周囲の客らが期待しながら見守っている。
無理強いはしないと言ってはいるが、それは方便だ。ミカ姉から言質を取ろうと手段を選んでいない。
拷問のような焦らし責めによって、心身を追い込まれて窮地に立たされている彼女が、遠からず陥落するのは火を見るより明らかだ。
(それでも本気で拒絶すれば、警察沙汰を嫌う店主は止めに入るに違いないよ……だから、ミカ姉、今からでも止めて欲しいと訴えてくれよ)
そう願わねばいられない僕だったけど、その願いは叶わなかった。
ミカ姉は拒むこともなく、ついに屈してしまったのだ。
「あぁぁン、未可子は、ご主人様に調教していただいてる牝豚奴隷です……はぁ、はぁ…ど……どうか疼いてしょうがない浅ましいオマ×コに……んんッ……みな様のたくましい……あぁぁン……チ×ポをお恵みください」
彼女らに促されるままに、南波に教え込まれたハメ乞いのセリフを述べさせられた。
「うわ、この子ガチのやつじゃん……なら、ホントに遠慮しなくて良さそうよねぇ」
「そうねぇ……でも、この人数相手だとオマ×コだけで足りるかなぁ? 夜が明けてしまうかもよ?」
「はぁ、はぁ、あぁン……それなら、お尻を……あン……未可子のケツ穴も……使って下さい……ご主人様にケツアクメを……今日……うふン……教えていただきました」
巧妙な尋問によって、3Pやアナルセックスでの絶頂経験などを赤裸々に告白させられて、その場でも望むよう言わされてしまう。
そうなれば形はどうあれ、彼女が自ら望んだことになってしまう。
常連客の代表として監督と呼ばれる男が店主に確認を取っていた。
「だそうだよ、オーナー、言質は取ったんだから問題ないよね、SMの道具とか僕のが預けてあったやつ、済まないけど出してきしてよ」
「やれやれ、本当にお連れさんは良いんですか? この人数を相手だと、どうなっても知りませんよ」
盛り上がっている常連客らに嘆息する店主は、一応の確認といった様子でアルコールを飲んで望観する南波に問い掛ける。
店内には二十名近くの客がいて、その全員がこれからミカ姉と絡みむわけだが、中には暴力的な常連客も混じっているのを心配しているようだ。
「あぁ、残る傷を与えなければ問題ないぜ。なんせカワイイ未可子を俺好みに調教する一環だからなぁ、遠慮なく壊れそうなほどハードなヤツでお願いしますよ」
南波はアルコールで濡れた口元を手で拭い、残忍な笑みを浮かべて監督に依頼する。
その目の前では、すでに前後の穴を貫かれてサンドイッチ状態で悶えさ泣かされるミカ姉の姿があった。
それから男女問わず相手をさせられたミカ姉は、朝方の閉店時間を迎えた頃には、全身を体液まみれにさせられて完全に白眼を剥いていた。
柔肌には縄痕やキスマーク、歯型までもが刻まれて、尻肉は無数のスパンキングによって赤く腫れている。
がに股開きのまま横たわる彼女の股間からは、幾人にも注ぎ込まれた大量の精液が二つ穴から溢れ出ているのが見えていた。
「へッ、いいざまだなぁ……だがなぁ、こんなもんじゃ済まさねぇよ、テメェには、もう普通の恋愛なんて望めねぇ身体にしてやるからなぁ」
気を失う彼女を見下ろす南波の目には狂気が宿っているように見える。
その横顔に画面越しの僕でさえゾッとさせられていた。
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