虜囚将校[2] ―猛る武人の国の女性将校の苦難―
【2】淫らに開発されていく
奉仕を終えた綾乃は、開脚椅子に載せられて四肢を固定させられた。
上着は着替えさせられた。同じ日本帝国海軍の将校服に見えるが、その胸元はくり抜かれて乳房を露出させるように改造されている。さらにバイブレーターを内蔵した黒革のパンツまで脱がされていた。
スラリと長い美脚を限界近くまで固定アームによって開かされて、なにも身に付けていない下半身を突き出すようなポーズを強要される。
おかげで、正面に座るヴェロニカからは秘所がよく見えてしまっていた。
しかも膣開口器具を差し込まれて、秘唇をポッカリと開かされた挙げ句に、無影灯に膣奥まで照らされているのだ。
「うぅぅッ」
同性とはいえ、恋人にすら見せない箇所を見られる辱しめに綾乃は憤慨していた。だが、両手はヘッドセットの両脇で拘束され、ボールギャグを噛まされていては抵抗することも罵倒することも叶わないのだ。
その吐き出せぬ怒りを込めて、ロシアの女性将校をギッと睨みつけてみせる。
強者揃いの財団警備兵すらも射すくませた鋭い眼光だ。だが、ヴェロニカは、それを平然と受け止めてみせる。
「まだ歯向かうだけの元気があるようで良かったわ。遠慮することなく楽しめるからね」
西洋人形のような端正で冷たい美貌に浮かぶのは、反抗による怒りではなく強者をもてあそぶ悦びに満ちている。
嗜虐者にとって捕らえた獲物の活きが良いのは喜ばしいことなのだ。抵抗が激しいほどに、それを屈服させた時の悦びも大きいのを知っているからだ。
そのことを、捕らえられてから嫌というほど実感させられた綾乃は、不機嫌そうに鼻を鳴らすとそっぽを向いてみせる。
そうやって虜囚となってからも反抗的な態度を続けていた綾乃だが、連日で繰り返されるヴェロニカの調教によって心身に変化が起こっていた。
くり抜かれた軍服の胸元から突きだされた乳房が、これからの調教を想像して早くもピンク色の上気しはじめていた。さらに頂きにある乳首は充血して勃起しているのだ。
その痛いぐらい硬く尖る乳首の状態は、綾乃も自覚させられていた。だが、いくら心で落ち着かせようとしても、常に媚薬を投与されて官能を狂わされている彼女の肉体は、もう言うことをきいてくれないのだ。
そんな彼女の心のうちの動揺も策略家であるヴェロニカは的確に把握しており、さらにそれを煽ってくる。
「相変わらずツンツンしているけど、身体の方は待ちきれないみたいね。ほーら、本格的に触れる前から愛液が滲み出してきてるわよ」
彼女のいうことは事実だった。無影灯に併設されたカメラが、ヌラヌラと濡れ光りだした膣内の様子を捉えていた。
その映像は綾乃からも確認できるように、彼女の頭上に設置されたモニターに映りだされているのだ。
「くッ……」
「うふふッ、耳まで赤くして、ホントに可愛いわね。すぐに今日も淫らに啼かせてあげるわね」
ヴェロニカが手にしたのは電動バイブレーターだ。形状としては電動歯ブラシに近いだろう。細い軸の先にコブの生えた球体がついており、スイッチを入れると低音を響かせて細かく振動するのだ。
それを二本、それぞれ左右の手で握ると、膣開口器具でポッカリと秘唇を開かれた膣内へと入れていく。
その周囲の空気を震わせる振動の気配に、綾乃は耐えるように白手袋をはめられた手がギュッと握られる。
「もう、貴女の弱いところは把握済みだからね。Gスポットとか以外にも、例えばココとか弱いよね」
極振動する先端が、粒だった膣壁の一部に押し付けられる。それだけで、綾乃は「あッ!!」とおもわず甘い声を口にしていた。
続けて、もう一本で次の箇所を刺激してくる。堪えようと樹脂製のボールを噛み締めてみる彼女だったが、顎を反らして拘束された身体をプルプルと震わせる。
「うふふ、堪えたって無駄よ。この身体を貴女以上に把握してるわ。ほら、ここも弱いわよね」
「ふごぅぅぅッ」
反射的に腰が浮いて、下半身を固定するゴムベルトがギチギチと音を立てる。
膣内では溢れだした愛液がみるみる量を増やして、挿し入れているバイブの振動で飛沫をたてていた。
「ぐぅッ、ひゃへろ……」
( くそッ、やめろ……)
ギリギリと咥えさせられた口枷を噛みしめながら、綾乃は美貌を歪ませながら再び睨みつける。
すでに効果がないのは実証済みだが、彼女にできるのはそれぐらいなのだ。
「悔しそうね。まだ、そんな顔で睨んでくれるなんて、私が見込んだ通りで嬉しいわ」
「ふほぅぅぅッ」
「でもね、残念ね。今日もたっぷりと悶え鳴いてもらうわね」
綾乃の性感帯や弱い責められ方を把握する段階は、すでに終えていた。今は、その感度チェックとより感じやすくなるように刺激を与える段階なのだ。
次々と自らの弱い箇所を刺激されて、悶えることで弱点だと自覚させられてしまう。それでも、口枷を強く噛み締めて意地で甘い声を漏らそうとしないのは流石というべきだろう。
一通りの感度チェックが終わった頃には、綾乃は汗まみれでグッタリとした様子でゼーゼーッと荒い息をつかされていた。
だが、彼女の苦難はまだ始まったばかりだ。
胸元を大きく上下させる綾乃を見下ろしながら、ヴェロニカはほくそ笑むと、電源を落とした極細いバイブレーターを器具を使って固定しはじめたのだ。
その数は二本でおさまらず、さらに追加のバイブレーターを増やしていった。そのいずれもが、先ほど彼女を悶え苦しめた箇所なのだ。
膣開口器具によって広げられた秘口に、バイブレーターが次々と挿入されては固定されていく。
そうして、膣内の性感帯のすべてに設置が終わるのだが、その時には綾乃も状況を把握していた。
「うぅぅ……」
二ヶ所でも陥落寸前だったのだ。それが無数に増やされては、どうなるか結果は明白だった。
弱々しく首を左右に振る綾乃をヴェロニカは冷たい視線で見下ろしていた。その手にはバイブレーターを一括操作できるコントローラーが握られていたのだ。
「ひゃ、ひゃめ……ひゃめへ……」
(や、やめ……やめて……)
口枷の下で弱々しく声をだす綾乃に、ヴェロニカは興味を失せたのかように背を向ける。
部屋の出口へと向かう彼女の背を見ながら、ホッと一息をつく綾乃であった。
だが、扉に手をかけたヴェロニカの言葉で絶望に落とされることになる。
「しばらく休憩してくるわね、私をガッカリさせた綾乃は、その間にタップリと反省しておいてね」
そう言い残したヴェロニカは、無造作にコントローラーのスイッチを入れると部屋を出ていった。
その背後から、凄まじい絶叫のような喘ぎ声が聞こえてきたが、それも重い扉が閉じられると完全に聴こえなくなった。
Copyright(c) 2022 KUON All rights reserved.