虜囚将校[2] ―猛る武人の国の女性将校の苦難―
【6】恥辱に塗れた報告会
それからしばらくして、ヴェロニカによる肉体改造を終えた綾乃は解放された。
綺麗にクリーニングされた軍服に身を包み、比奈子に連れられて執務室のある日本帝国用の建物へと顔だす。
そこで綾乃は自身が病気療養で休んでいたことになっていたのを知る。安心した様子で次々と声をかけてくる部下たちに、彼女の不在を不審に思っている者はいない。
それは他国の駐在武官や財団スタッフも同様で、巧妙に情報操作がなされていたのがわかる。業務の方も滞りはなく、完璧な仕上がりだ。それに大きく関わっているのは比奈子なのだが、改めて彼女の有能さを思い知らされることになった。
そして、解放後の比奈子による監視も完璧だった。副官としてそばに張り付き、常に監視の目を光らせて綾乃に余計なことをさせようとはしない。
解放された綾乃には陰核に装着されたリングに加えて、軍服とは不釣り合いな白金の貞操帯を履かされていた。
その内側には媚薬クリームをたっぷりと塗られたバイブレーターとアナル拡張用のプラグが装着されており、常時、彼女のふたつの穴を貫き、比奈子が手にするコントローラーでいつでも攻め立てられるのだ。
「うッ……くぅ……」
執務室のデスクに座り、部下が届けにきた報告書を受けとる綾乃は、唐突に動き出したバイブレーターに思わず呻いてしまう。
病み上がりである彼女を気遣う部下に安心するように告げると、強靭な精神力で耐えながら平静を装う。
そんな彼女の様子にほくそ笑みながら、比奈子はなに食わぬ顔で横で業務に励むのだった。
そうして夜になると、比奈子は欲望をむき出しにした素顔をさらす。
トロトロに欲情しきった綾乃の肉体も快楽を激しく求めてしまい、嗜虐者の淫らな要求を受け入れてしまうのだった。
そうした日々を過ごしていた彩乃は、久々にヴェロニカによって執務室へと呼び出されていた。ロシアと日本帝国がそれぞれ監督する部隊で合同訓練をした成果を共有するための会合だった。
解放後は別件で忙しかったらしく、日々の調教は比奈子に任せっきりで綾乃もヴェロニカに会うのは久しぶりであった。
ロシアの執務室へと比奈子とともに足を踏み入れ、デスクを挟んで対峙する。
冷たい美しさをもとロシアの女性将校の前に立つと、厳しい調教によって刻まれた恐怖に思い出され、思わず膝を屈しそうになる。
だが、しばらく離れていたことで綾乃の精神もある程度は回復していた。今なら対等の立場で支配された環境から解放を促すこともできそうだと目論んでいたのだ。
そのためにも対峙して最初に、ヴェロニカの呪縛を振り払う必要があった。グッと歯を食いしばり、デスクに座るヴェロニカを睨みつけてみせる。
「……フッ」
その様子に、ヴェロニカは目をみはると、すぐに薄笑いを浮かべる。
不穏な空気におもわず取り押さえようとする比奈子を手で静止して、ヴェロニカはゆっくりと立ち上がる。
「いきなり睨みつけてきて、どういうつもりなのかしら?」
「それは、こちらのセリフよッ。いい加減、私を解放しなさいッ、さもないと――うッ」
心を締め付ける呪縛を振り払おうと一喝してみせた綾乃だったが、続く言葉を発することはできなかった。
陰核に装着されたリングが突然稼働して、激しい振動を与えてきたのだ。
おもわず内股になり、股間を押さえてしまう。だが、振動するリングは硬い貞操帯の下なのだった。触れることも出来ずにリングが与えてくる刺激に悶えてしまう。
「もう一度だけ聞くわね……どういうつもりなのかしら?」
テーブルをまわって、ヴェロニカがカツカツとこちらに歩いてくる。
その声は冷え切っており、身悶えして動けない綾乃の身体が、今度は恐怖で震えだしてしまう。
リングの振動は激しくなる一方で、ガクガクと震える両脚では座り込まぬように踏ん張るのが精一杯であった。
だから、目の前にきたヴェロニカによって肩を押されれば、呆気ないほど簡単に尻もちをついてしまう。
「まったく、ヒナに任せておいたけど手緩かったようね」
深々とため息をついたヴェロニカは、手にしたコントローラーのボリュームを最大まで引き上げてみせた。
その途端、綾乃は床で仰け反り、ジタバタと悶え苦しみはじめた。
「ひぐぅぅぅッ!!」
「リングの刺激にも耐えられると考えてたようね……でもねぇ、これが初めて使う本当の最大出力よ」
「や、やめ……あぁぁぁぁッ」
これまでとは比較にならない振動に、頭は真っ白にされて目の前には火花が散ってしまう。
散々、調教の合間で覚え込まされてきたリングの出力は、実は半分も出されていなかったのだ。
想定外の高出力は、とても耐えられるものではなく、抗うことも出来ずに床を這いずりさせられるのだった。
「まったく、ちょっと隙をみせれば、つけ上がるようじゃ、まだまだ調教が必要ね」
リングの出力を弱めて、息も絶え絶えになっている綾乃をヴェロニカが見下ろしてくる。魂まで凍えそうな冷たい眼差しを向けられて、彩乃はゾッとしてしまう。
相手の気迫に呑まれた時点で、この場は完全に綾乃の敗北であった。
「止めて欲しければ、どうすれば良いか教えたでしょう?」
そう告げられては、もう綾乃には従うしかないのであった。
引き寄せた椅子に座るヴェロニカの前で、ゆっくりと立ち上がった綾乃は服従のポーズを取りはじめる。
両手を頭の後ろで組み、ガニ股になるポーズだ。調教中に何度も強要させられて嫌というほど覚え込まされた姿勢であり、するだけで屈辱の日々が思い出されてしまう。
しかも、あの時は拘束されての半強制だったが、今は自らの意志でポーズをしなければならないから恥辱もひとしおだ。
「うッ……くぅ」
愛着のある漆黒の軍服姿で屈辱のポーズをしてみせると、悔しげに相手を睨みつける。その綾乃のスカートを比奈子が摘まみ上げて裾を口に咥えさせる。
それによって、下半身が露出して、常時履かされている白金の貞操帯が露になる。
「言いつけ通りに、ちゃんと履いているようね」
綾乃の肉体にフィットしたハイレグ仕様の金属のショーツは、施設の工房で造らせた特注品だ。専用のコントローラーによる認証にのみ電子ロックが解錠できる仕組みだ。
それでも強引に外そうとすれば不可能ではないだろうとは、お互いにそれを理解している。
その上で、今は不利な立場にいると綾乃自身が外せないと判断したのに意味がある。
これは、そういう管理されている身分だと思い知らせる意味合いが強いアイテムなのだ。
満足そうに頷くヴェロニカのコントローラーで貞操帯のロックが解除されると、すかさず比奈子が貞操帯を外しかかる。
「んッ……あぁぁぁッ」
ズルリと内側に装着されていた二本の突起が、綾乃の体内から引きずりだされる。
黒光りする表面は綾乃の体液で濡れ光っており、バイブレーターを抜かれた秘部からは堰き止められていた大量の愛液がこぼれ落ちていく。
長時間もバイブレーターを装着していた証は、絨毯を激しく濡らして強烈な牝臭が部屋に充満させる。
悔しげにしていた綾乃もおもわず頬を赤くしてしまう間に、比奈子は口からスカートの裾を受けとると、代わりに腰に巻きあげるように挟みこんでいく。
その準備が整うとヴェロニカとはおもむろに口を開いた。
「澄まし顔で仕事しながら、素直にバイブとアナルプラグを咥えこんでいたなんて、綾乃はホントに偉いわね」
「…………」
「あら、聞こえなかったのかしら? 偉いわねっと褒めてあげたのよ、綾乃。なにか言う事はないかしら?」
「そ、そんなことを褒められても、嬉しくともなんともないわよッ」
穏やかな笑みのままヴェロニカの指がコントローラーのレバーに伸びる。
「もう一度いうわね……偉いわね、綾乃」
陰核リングの出力レバーに指がかかると、綾乃の美貌が悔しげに歪む。
肩を震わせて、絞りだすようにして感謝の言葉を口にする。
「くッ……あ、ありがとう……ございます」
「はい、よくできました。次はすぐに言えるようにしなさい。あとでアナルの状態もチェックしてあげましょうね」
そう言われてから、再び奇妙な間が生まれていた。
それが自分の返答待ちであるに気づいて、慌てて綾乃は感謝の言葉を口にする。
「…………あッ………あ、ありがとう……ございます」
言ってから思わず安堵してしまう。その事実に後になってからハッと気がつき、次第に馴致されている状況に歯噛みする。
だが、いまさら反抗する気力も残ってはいない彩乃は唇を噛み締めて、今は恥辱に耐えてみせると誓いながら目のヴェロニカをギッと睨むのだ。
そんな綾乃の心情もヴェロニカは読み取っていた。だから、反抗的な視線に関してなにも指摘しないでいた。
それどころか、あれだけ激しい調教を受けて未だに反抗的な態度を取ろうとする綾乃を気に入ってすらいるのだ。
もちろん、それは彼女の嗜虐欲をより満たすためのスパイス的な意味であり、反抗する牙を一本一本抜いていくことに無常の悦びを感じる彼女の嗜好故なのだ。
(さぁ、その目がいつまで続くかしら?)
ギッと睨みつけてくる綾乃の顔を見返しながら、股間に手を伸ばしてリングから頭をだす陰核へと指先を這わせてみせる。
敏感な器官を愛撫されて綾乃の美貌が歪む。眉根をギュッと寄せて弱々しい態度へと変化していくのを愉しむのだ。
「すっかり感じやすくなったわね。前よりもたくさん気持ちよくなれて良かったわね」
「うッ、うぅ……はい……あ、ありがとう……ございます」
「さぁ、私は勝手に愉しませてもらうから、報告をはじめて」
屈服の体勢を維持させられながら仕事の報告を述べる綾乃、その秘部をヴェロニカによって弄られる異常な光景が目の前にあった。
秘部に指を入れられてクチュクチュを水音をたてて掻きまわされる。報告の途中で喘いだり、言い淀んで報告が滞ったら背後で待機している比奈子が鞭を振るうのだ。
勿論、服従のポーズが少しでも崩れても同様だった。
すでに双方とも資料の内容は頭に入っている。その内容を確認するだけだから本来なら形式的な業務なのだ。
だから嗜虐者らは、それをダシに淫らなゲームを愉しんでいるだけだった。
「以上のことから……くぅッ、あぁぁぁッ」
「あら残念、いまのところは最初からね」
「ぐぅぅッ」
「肘が下がっているッ」
細かな指摘が上がっては、容赦なく比奈子が繰り出す鞭の一撃が見舞われた。
それでも、どうにか資料も半分を消化できた。だが、まだ半分だ。
今度は、背を向けて壁に手をつかされた。
再び、スカートが捲られて、ヒップを突きだす姿勢になる。貞操帯も外されて、股間の秘部も露になっている状態だ。
「あら、もぅ太ももまでビッショリね。鞭が気持ちよかったかしら?」
「そ、そんなこと……ないわ」
「ふふふ、ふう、それじゃぁ、アナルの状態を見てあげるから、自分で広げてみせてね」
肩でに寄り掛かるようにしながら、背後に突き出した尻肉を自らの両手で掴んでみせる。
開かれた尻の谷間では、いまだ口を閉じきれない菊門が目の前にあった。
ヴェロニカは、ポッカリと口を開いたそこへ指を差し入れながら、綾乃に報告の続きをするように告げるのだった。
そうして、全ての報告をようやく終えた頃には綾乃は息も絶え絶えの状態であった。だが、嗜虐者たちは、まだまだ満足していないのだ。
椅子に座ったヴェロニカの股間には、ペニスバンドによるディルドゥがそそり勃っていた。そこに綾乃に繋がるように指示をしてきたのだ。
比奈子に腕を取られながら立ち上がると、ヨロヨロとヴェロニカの元に歩み寄る。
朦朧とした様子の綾乃は、言わてるがままに背を預けるようにしてヴェロニカの膝の上に腰を下ろしていく。
「あッ……くぅぅ……うふぅぅン」
押し当てられた切っ先が肛門を通過すれば、あとは自重でズブズブと根元まで埋没すると、媚薬クリームを塗られた漆黒のディルドゥが直腸を埋め尽くして貫いてくる。
両脚は肘掛けに掛けられて、大股を開いた状態だ。前にいる比奈子からも深々とアナルを串刺しにされている光景が目に入ってた。
「くぅ、恥ずかしい」
「なにを今さら恥ずかしがっているかしら?」
「えぇ、まったくです」
「だって……あぁン」
「こんなに前を濡らして、すっかりアナルが気に入ったようね」
すでに綾乃はハァハァと激しく息を見出しながら、瞳を激しく潤ませている。
愛液を滴らせている秘処に指を這わせながら、比奈子は嬉しそうに目を細めていた。
その視線から逃れるように顔を背けるとの、顎を掴んで引き戻すと、その唇を奪ってみせる。
「うんッ、んふぅ……んんぅんッ」
もう綾乃は拒みはしなかった。調教の間に覚え込まされた肛虐の魔悦にすっかり呑まれているのだ。
求められるままに舌を突きだして絡めあうと、注ぎこまれる唾液も嬉しそうに鼻を鳴らして飲み込んでみせるのだ。
「今日は、私が前を可愛がってあげるわね」
比奈子も主と同じくペニスバンドを装着すると、たっぷりと媚薬クリームを塗りつけていく。
綾乃の秘処は愛撫の必要もないほど激しく濡れていた。
ディルドゥがゆっくりと埋没していくと、隙間からは大量の愛液がグジュリと溢れでてきて、易々と受け入れていった。
「ほーら、入ったよ。
「あぁぁぁぁッ」
「前も後ろも深々と咥えて、どうかしら? とっても気持ちいいでしょう?」
「それじゃ、今夜はふたりで、たっぷりと啼かせてあげるね」
突き上げを開始したヴェロニカの動きにあわせて比奈子を腰を使いはじめると、主とともに綾乃を二つ穴を欲望のままに犯していくのだ。
完全防音の執務室からは彼女の喘ぎ声は漏れることもない。
ギシギシを椅子を軋ませながら、ふたりに挟みこまれて軍服姿の綾乃は身悶えさせられた。
そうして、心身に被虐の肉悦を刻み込まれた綾乃は、目に見えぬ鎖に囚われていくのだった。
Copyright(c) 2022 KUON All rights reserved.