淫獣捜査スピンオフ 双極奴隷たちの調教クルージング
【2】客室
ナナとシオに用意されたのは最上階フロアにあるVIPルームだった。
変態趣味のある船主が同好の仲間たちと楽しむために用意した特別なフロアで、様々なプレイが楽しめるように設備が整っている。
彼女らに割り振られた部屋も十を越える部屋がある豪勢な造りで、その中には調教で使えるプレイルームも複数用意されていた。
それ意外にも滞在者は廊下や屋上フロアなどもフロアにある設備を自由に使えて、他の乗客たちと一緒にプレイを愉しむこともできるのだ。
「なるほど、これなら遠慮はいりませんわね」
シオを伴って自室へと戻ると、連結する各部屋を見てまわる。広々としたリビングを中心に複数のバスルームや寝室が揃っていた。
普通と違うのは各所に拘束するための設備や取り付ける為の金具があることだろう。
それに加えて磔台や三角木馬といった本格的なプレイルームも完備しているのを確認する。
一通り見渡してリビングに戻ってくると、テラスに出て海を見渡してみる。
すでに地中海を横断して大西洋へとでるコースに進んでいた。予定では南下してアフリカ大陸を経由してアジア方面に向かうということだ。
「うーん、海風が心地よいですね」
飛び交う海鳥に目を向けて景色を愉しんでみせるが、その頭の中では別のことを考えていた。
調べたすべての部屋には隠しカメラと集音マイクが仕掛けられていたのだ。
(でも、意識すれば見つけられるレベルで、本気で隠す気はないものだった……)
そのことから状況を分析したナナは口許に笑みを浮かべる。
(どうやら、私がシオを責めるのを誰かに見せたいようですわね)
紫堂が求めていることを察して対応するのも秘書として求められていることだった。
迷いが取れてスッキリした顔でリビングへと戻ると、ナナはカメラを意識して行動に移る。
身に付けていたスーツを脱いでみせると黒い下着姿を見せつけるいく。
肌が透けて見えるレース生地で揃えられたブラジャーとハイレグショーツ、そしてガーダーストッキングの一式だ。
透き通るような白い肌に黒の下着がよく似合っている。ソファに腰かけて、それを扇情的にひとつ、またひとつと脱ぎ捨てていく。
その過程で有能な秘書といった知的な印象がカラリと変わり、艶かしい扇情的な雰囲気へと豹変していった。
染みひとつない柔肌をほんのりピンクに染めて、濡れた瞳でみつめてくる。硬く尖った乳首にはバールピアスが貫き、黒い茂みのあるはずの股間には、代わりに奴隷である証の刻印が彫られているのだ。
アブノーマルさを漂わせる彼女の裸体には、男なら思わず生唾を飲みこまずにいられない魅力があった。
欲望のままに押し倒してむしゃぶりつきたくなる。そんな気持ちへと誘われて欲情させられていくのだ。
だが、彼女を捕らえるのは容易ではない。手を伸ばせば指の間からスルリと抜け出てしまい、ついにはその身体を欲しいとこちらから懇願させられている。そんな蠱惑の雰囲気がナナにはあるのだ。
――ゴクリッ
カメラの向こうで生唾を飲み込むのが聞こえてきそうだ。
そうなるようにアングルにポーズ、そして表情とすべてが計算づくされて効果的に演出されているのだ。
そんな彼女が新たに手にしたのは真紅のボディスーツだった。
柔肌に潤滑剤を塗りつけていくと、大きく開けた首部分から爪先を入れていく。
徐々に引き上げて彼女の魅力的な肢体にピッタリと張り付いていくと、光沢のある第二の赤い肌と化していった。
首から爪先まで隙間なく、ゴム素材が彼女を包み込んで、ボディラインを見事に浮き立たせている。
乳首を貫くピアスや股間の割れ目もクッキリと浮き上がらせほどの密着度合いなのだ。
その上、コルセットを装着して限界まで絞り上げると、首輪へと繋がるハーネスで乳房の根元を締め上げるのだ。
そうして細い手脚にはそれぞれ枷を巻きつけていくと調教師としての姿が完成する。
鞭を手にして立つ姿はまさに女王様のイメージだろう。男を扇情的に誘う娼婦から逆らうことを許さない威厳を漂わせる支配者へと、まるで俳優が役柄に入り込むように雰囲気がガラリとかわるのだ。
「さぁ、今度は貴女を奴隷らしい姿にしてあげましょうか」
真紅のラバーに覆われた指先がシオを引き寄せ、その瞳を覗き込んでクスリと笑ってみせる。
相変わらずガラス玉のような瞳はナナを映しこむが、シオ自身の感情はうかがえない。それでもナナはかまわず、手にした拘束具を彼女に装着していく。
漆黒のボディスーツを身に付ける彼女に黒革のハーネスを巻きつけられる。
菱形に組まれたハーネスをギリギリとその身を 締め上げていく。
双乳を根元から絞り出し、腰をこれでもかと細めると、ボディスーツに食い込んで卑猥に肉体を変形させていった。
「――うんッ」
「あら、気持ちよかった? よかったわ、ちゃんとMとしても開発されているようね」
手足に枷を装着しながら、ナナは徐々にシオの瞳が濡れていき、光が宿っていくのを確認していた。
「さぁ、両腕を上げなさい」
テーブルに置かれていた端末を操作して、天井と床から鎖付きのフックをださせると、シオの手足に装着した枷へと連結していった。
両腕を高々と吊られた人の字に拘束すると、その背後にまわって妖しい光沢を放つ漆黒のボディへと指を這わせていく。
「んッ……あッ、はぁぁぁぁッ」
「感度は悪くないわね。貴女でもそんな気持ち良さそうな顔をするのね」
トロンと瞳を激しく潤ませるシオに囁きながら耳を甘噛みする。その一方で量感たっぷりの彼女の乳房に指を埋めるのだ。
その感触を見せつけるように左手で激しく揉み上げながら、耳へと舌先をいれてみせる。
すると普段の無反応が嘘のようにシオが熱い吐息をもらしながら、切なげに吊られた肢体を揺するのだ。
「うふふ、マゾ牝らしく良い顔になってきたわね。本来の貴女はこちらなのかしら、責めてる私まで変な気分になってくるわね」
顎を掴んで顔を覗きこみながら、喘ぐ口へと差し入れ指を入れてみる。
すると、まるで男性性器に奉仕するかのように舌を絡めてくるのだ。
濡れ光るボディスーツ姿の美女ふたりが、密着して絡み合う姿のなんとエロティッツなことだろうか。
特に人形のように無表情だった美女が、徐々に官能を狂わされて乱れていくのだ。
それだけでもショーであれば最前列の男たちは股間を押さえて個室に駆け込んでいるだろう。
だが、そうやってシオを乱れさせているナナだが、この間にも彼女は快楽のツボを探り当てて把握していってるのだった。
徐々に相手をまる裸すると、今度は刺激によって高みに押し上げながらも、あと一歩で頂上へと達せないように絶妙にツボの中心を避けていくのだ。
「はぅッ……はぁ、はぁ、はぁ……んんッ、くぅぅぅッ」
あと一歩のところで離れてしまう指先に、肉体は反射的に追ってしまう。だが、拘束する鎖がそれを許さず、引き戻されてしまう。
そうやって何度も執拗なぐらい焦らし続けるのだ。
「あぁぁッ」
離れてしまう指先がもどかしく、切なげに泣いてしまう。
そんな哀れな奴隷の耳元に、美しき調教師は甘く優しい声で囁くのだった。
「どうすれば良いのか知ってるでしょう? 自ら調教を哀願するまで、いつまでも続けられるわよ」
そうして、どのような台詞をいうべきか刷り込んでいくのだ。
「あぁぁ、ど、どうか……卑しい牝奴隷である私を……あぁぁぁ……もっと淫らに狂えるように……はぁ、はぁ、調教して……下さい」
絶頂寸前ではぐらかされ続けて、ついにシオは自ら懇願しはじめる。
そうして、耳で囁かれるままに淫らな言葉を何度も口にしていくことになるのだった。
「いい子ね、よく言えたわ」
ようやくナナが満足した頃には、シオは狂わんばかりの状態だった。
「あぁ、お、お願い……お願いしますから……逝かせてください」
腰を前後に振って催促する姿に笑みを浮かべると、ゆっくりと股間に設えたファスナーを下ろしていく。
途端に甘酸っぱい牝臭が周囲に立ち込めて、充血してパックリと口開いた祕唇から大量の愛液が滴りおちてくる。
「おや、大人しい顔して身体の方は随分と強欲なようですね。それじゃ、たっぷりと満足させてあげますわね」
蔑みの笑みを浮かべながらナナは自らの腰にぺニスバンドを装着する。
茎部分が無数の瘤状になった極太のディルドゥだ。シオの前に立つとその切っ先を押し当てていく。
――グジュリッ
ゆっくりと埋没していくディルドゥが膣洞を満たす愛液を押し込みながら、逆流したものが隙間から溢れ出てくる。
直径が三センチはあるディルドゥの圧迫感にシオの眉根が寄る。同時にようやく満たされる肉欲への期待に背筋が震えてしまうのだ。
その太さに慣らすようにジックリと挿入を深めてきたが、すでに膣はいっぱいな状態だ。だが、まだ半分も挿入されてないのだ。
「さぁって、残りは一気にいれますわよ」
「ま、まってて――ヒッ!!」
腰を捕まれてズンと腰を突き上げられるとシオの腰が跳ねた。
爪先立ちになったシオの身体が、大きく反ってしまう。
「――あぁぁぁぁぁッ」
目を見開き、肺の中の空気をすべで吐き出すかのような叫びをあげる。
子宮を押し上げるような痛烈な一撃にシオは激しく達していた。
キシキシと手足に繋がれた鎖を軋ませて、淫らな媚泣きをあげてしまう。
それは、ナナが本格的に挿入をくりだすとさらに高まっていくのだ。
「マゾのスイッチが入ると、随分とよい反応をするわよね」
顎を掴んで引き寄せれば、嫌がりもせずにキスに応える。
キスのテクニックも中々のもので、合間に突き出させた舌へと唾液を滴らせば、喜んで嚥下してみせる。
「あんッ、はふぅぅぅン」
「キュウキュウと凄い締めつけね。奥へと吸い込まれそう」
膣壁が激しく蠢き、ディルドゥを引き込むようにバキュームするのだ。
並みの男ならそれだけで果ててしまうだろう名器のうねりに、挿入しているナナも余裕がなくなる。
ラバー越しに膨らむ乳首同士を擦りあわせながら、肉悦をむさぼるように腰を振り続けた。
どちらとなく唇を重ねて、熱いベーゼを交わして、お互いに高みへと昇りつめていくのだ。
そうして、ふたり揃ってエクスタシーへと達するのだった。
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