年下の彼女はツインテール エピソード1・リライト版

【2】捕獲されたエージェントは、ボンデージ衣装が似合う

 数日後、下校途中でスーパーに特売品目当てに立ち寄る先輩を、建物のそばで監視しているノノの姿があった。
 その手には駐車場に停められたキッチンカーで販売されていたクレープが握られていたる。

「美味しーッ!! 上品なホイップクリームにフルーツとチョコがなんとも……エヘヘッ、先輩にも一口あげようかなぁ……」

 フルーツをふんだんに使用して生クリームも上等な仕上げの一品だった。
 ガラス窓越しに買い物している先輩を見つめながら、ホクホク顔で頬張っているノノにピリリッと緊張が走る。
 悪意の気配を察知していた。これが暗殺任務に特化していたノノが持つ特殊な技能であり、自身に向けられたわずかな悪意や殺気を敏感に感じとれるのだ。
 今回の護衛任務で派手に暴れて見せているのも、少年を拐おうとする連中に護衛者である自身の存在を印象づけるためだった。
 そうすることで、排除しようと動く連中の気配をいち早く検知しているのだった。

(数は三十……動きに統率力は感じられず、脅威レベルはC……バラける前に始末した方が良いかな)

 クレープの残りをペロリと平らげると、ノノは誰にも気づかれることなく、その場から姿を消していた。

「あれぇ? 逃げ出しちゃった……思ってたより判断が早いなぁ」

 鋼糸を繰り出すとボディスーツ姿になった小柄な身体を飛躍させる。振り子のように宙を舞ながら、蜘蛛の子のように風にのってみせる。
 そうして人が行き交う上空を人知れず高速で移動してみせるのだ。
 そのやって接近を試みているノノの存在をどうやって知ったのか、襲撃者たちは急反転すると一目散に逃げ出していた。
 街外れになる廃工場の敷地へと土埃を上げて入ると、朽ちはじめている建物の合間にを抜けて、倉庫のひとつへと連中の車が次々と逃げ込んでいく。
 あきらかに誘い込もうとする動きだが、ノノには関係性ない。

――護衛対象を脅かす脅威は全て排除する……

 それがノノに課せられた任務だからだ。
 閉じられようとする鉄扉の隙間から小さな身体が滑り込む。
 照明が落とされ、窓も封鎖されて、背後で扉が閉じられる完全な闇に覆われてしまう。
 だが、待ち構えていた連中は暗視装置を装着していた。その上、発砲の際の炎を消すための消火装着をつけた銃武装していた。
 
――これで、一方的に攻撃できるッ!!

 そう意気込んていた連中だが、いざ銃口を向けて引き金をひこうとすると、スーッとノノは避けてしまうのだ。
 殺意を機敏に感じ取れるノノにとって暗闇で視界が見えずとも攻撃を避けることは容易なのだった。

「くそぉ、当たらねぇッ」
「なんでだよぉ、見えてねぇはずだろぅ?」
「このぉ、ちょこまかと……」

 圧倒的有利が崩れて狼狽する声と怒号が暗闇の中で飛び交う。その隙間を縫うように、ノノはひとり、またひとりを倒していった。
 だが、途中から異変に気づきはじめた。わずかな空気の変化を感じ取ったのだ。

(これはガス? 麻痺系かな?)

 暗闇にしてノノの視界を封じたのは、このためであった。
 あらかじめ倉庫を補強して密閉度をあらかじめ高めておいた。
 ノノを計画通りの誘き出すと、隠しておいたガスタンクから無効化ガスを放出させていた。

(よし、順調だぞ)

 計画書に記載されていた通り事態が進み、ボスはほくそ笑む。

(ガスの存在に気づいたようだが、簡単には逃しやしねぇぜ)

 ガスタンクと一緒に提供された暗視装置とガスマスクを全員が装着している。あとはガスが効くまでノノが逃げないように粘ればよいのだった。
 
「くぅ……戦いにくいです」

 倒すことに固執していない敵の攻撃にノノは手間取っていた。
 薬物に耐性のある身体であったが指先に軽い痺れを感じて息を止めているものの、それに限度があるし、徐々に動きにもキレがなくなってきている。

(すぐに倒し切るのも脱出するのは無理そう……それならッ)

 襲撃者ひとりを倒して、その身体からガスマスクを奪うことにする。
 サイズは少し大きいが使用するのに問題はなさそうだ。

「ぷはーッ、ふぅーッ」

 それまで息を止めてた反動で大きく息を吸い込む。

――ピピッ

 するとマスクから四本の爪が飛び出して、ガッシリと小さな頭部をわし掴みにするように固定してしまう。
 同時に新鮮な空気が吸えるはずが濃縮されたガスがマスク内に噴出してくる。

「んん――ッ!?」

 敵は暗闇による攻撃、密閉空間へのガス注入と多重の罠を用意していたが、それらはノノにガスマスクを装着させる為の布石だったのだ。
 ガスマスクに見えたものは、登録した者以外が被ると頭部に張り付き、逆に濃縮したガスを吸わせる機器だったのだ。
 そのことに気づいた時にはすでに手遅れだった。空気を吐き出した肺の中に濃縮されたガスを吸い込んでしまう。
 ガスで視界も霞む中、いつの間にか倒れてしまっていたようだ。
 ゾロゾロと集まってきたガラの悪い男たちが取り囲み、上から覗き込んでくるが暗視装置の映像越しに見えた。
 だが、意識もそこで途切れて、ガックリと力尽きのだった。


 倉庫内の照明が灯され、意識を完全に失ったノノを見下ろして男たちは乾いた笑みを浮かべあった。
 同時にあれほど脅威だったエージェントが十代の少女であると改めて知り、驚愕もしているのだった。

「おい、なにをボケッとしてやがる。今のうちに拘束して吊しておけ。あぁ、武器も取り上げるのを忘れるなよ」

 ボスの叱責を受けて男たちはノノの腰からポーチを奪い取り、2基のガントレークレーンから垂れ下がる鎖にそれぞれ手首を巻きつけていく。

――ジャラジャラジャラッ……

 鎖の擦れ鳴る音とともに漆黒のボディスーツに包まれたノノの身体が吊るされていった。

「うッ、うぅぅ……」

 両肩に負担が掛かり苦しいのだろう。眉根を寄せてノノが覚醒の気配をみせる。
 その姿をパシャリッ、パシャリッとフラッシュとともに撮影されていく。捕らえられたノノの姿を少年に送り付けて脅そうと準備しているのだ。

「よく見れば意外に可愛い顔をしてやがるなぁ、このままバラすには、ちっとばかり勿体ない気がしてきたぜ」

 散々苦労させられ、馬鹿にできない被害も受けているのだ、その意趣返しに凌辱してやろうと考え出していた。
 元々、嗜虐趣味のある男であるから、その思考に走るのも至極当然で、舌なめずりするとノノの身体をまさぐりはじめる。

「んッ、んんぅ……」
「おッ、胸を揉まれて感じてやがるのか? 徐々に艶めかしい吐息になっていきやがる」

 スレンダー過ぎてメリハリに掛ける身体ではあったが、それはそれで需要はあるのだった。
 散々に楽しんだ後は元エージェントの牝奴隷として闇の奴隷市場で売りに出すまで頭に描き、早くも利算出した利益に笑みを浮かべている。
 だが、いざノノを裸にひん剥こうとして、身につけているボディスーツに悪戦苦闘することになった。

「くそぉ、普通のナイフじゃだめだ、おい、アレを持ってこい。ガスと一緒に荷物にあったヤツだ」

 配下の者に持って来させたのは一見してコンバットナイフだ。その柄部分にあるボタンを操作するとブーンっという低周波とともに刃がわずかに振動しているのがわかる。
 それは高振動ナイフだ。防弾防刃に優れて普通のナイフでは切れ込みの入れられなかったノノのボディスーツが薄紙のようにスパスパと切り刻まれていった。

「おぉ、こりゃ、スゲェなぁ」

 吊られたノノを素っ裸にして満足げなボスは、配下の者に彼女の両脚を持たせて股間を広げさせる。
 無防備に晒された股間を覗き込むボス。その後ろには強面の連中が顔を寄せ合って覗き込むのだった。

「おッ、やっぱり少し濡れてやがるな、意外に根は好きものなのかもなぁ」

 関節の太い指で秘唇を押し広げて、薄溝の奥地を覗き込む。綺麗なサーモンピンクの聖地はうっすらと濡れ光っているのだ。

「うッ、うんん……」
「ホレホレ、指を入れられてどんどん濡れてきやがるぞ……だが、少しキツキツ過ぎるな、アレを使うか」

 懐から取り出したのはチューブに入れられた軟膏クリームだった。
 怪訝そうにする配下に見せつけるように指先に中身を押し出すと、なんの変哲もない白いクリームをノノの秘部へと塗りつけていく。

「こいつは中東で出回っている秘薬でなぁ、アラブのとある豪族が女を手籠めにするのに使っていると噂されている一品だ」

 塗られた部位はスースーするが徐々に熱を持ち始めて、激しい疼きに襲われるのだ。さらに感度も高めてくれるらしく、貞操の硬い淑女も淫らな娼婦のように男を求めずにはいられなくなるのだった。
 それを肉襞の一枚一枚に丹念に塗りつけると、膣洞にも満遍なく擦り込んでいった。
 さらに乳首とまだ皮を被っている陰蕾にもタップリと塗るのだ。
 効果はすぐに現れた。秘裂からは愛液が滴りはじめ、乳首と淫蕾は痛いほど充血しはじめる。

「う、うぅ……あふぅぅ」

 切なげな吐息をもらしはじめたノノの様子に、ボスも嗜虐欲を昂ぶらせていた。
 徐々に意識を取り戻しつつあるノノに新たな拘束を施すよう配下の者に指示をだした。
 足元に横たわる染みひとつない裸体を前にすると、幼さを感じさせる少女に興味を示さなかった者も思わず唸る綺麗さだ。
 苛烈なエージェントだから、身体はさぞ傷だらけであろう思っていたが、この綺麗さなのだ。
 もし、欧州で何百と血祭りにあげてきたツインテールというエージェントの噂を正確に知る者がいたならば、その綺麗な裸体が持つ真の意味を理解できただろう。
 銃弾が飛び交う中で、手傷をろくに与えた者がこれまでいないということなのだ。
 だが残念なことに、この場にはそこまでノノの実情を知りえる者はいなかった。

「おい、早くしろッ。拘束具で自由を奪ったらガキを呼び出す前に少し愉しませてもらうからよ」

 中身の詰まったボストンバッグが重そうに運ばれてくる。元々、嗜虐趣味のあるボスの愛用品で、捕らえた相手が若い女の場合は嬲り尽くしてから殺すようにしているのだ。
 そのおこぼれにいつも預かっている部下たちの手つきも手慣れたものだ。

――全裸したノノにまずは上半身を覆う黒革のベストが着せられていく。ノースリーブ型で締めつけられた乳房の先端が露出するようにくり抜かれている。締め付ける生地によって感度を増し、ささやかな乳房も見事なまで絞りあげてみせる。

――その次はラバー製の編み上げのロングブーツだ。太ももまで黒い光沢で覆われ、凶悪なほどにヒールも高く、まともに歩くこともできないだろう。

――スラリとした脚には太ももまで覆うラバー製のロングブーツをはかされた。足首には鎖で繋がれた枷が装着される。ふたつを繋ぐ鎖は短く、それだけでも走ることも蹴ることも封じられてしまう。

――両腕を拘束するのはアームバインダーだ。背後にまわされた両腕を三角形をした革袋に包み込む。揃えた指先から入れられた腕は二の腕まで覆い、袋の上からベルトでギュウギュウと腕の形状が浮き上がるほど締めつけられていった。

――最後には肉厚の深赤革の首輪が巻かれていった。カキンッと南京錠で施錠されて細首に装着される。逃げられないように床に撃ち込まれたハーケンに太い鎖で繋がれていた。

 それらの拘束が終わる頃にはノノも意識を取り戻していた。焦点の合わない瞳で見上げる彼女を男たちがニヤニヤと下種な笑みを浮かべて取り囲んでいた。

「よぅ、お目覚めかよ。散々、好き勝手部下を殺してくれたよなぁ。簡単に死ねるなぞ、思うなよ」

 悪党らを束ねるボスだけあって、ドスを利かせて脅す姿は流石なものだった。
 傍観していた配下の者らもビリビリと伝わってくる迫力に縮み上がってしまう。
 だが、ノノはそれをボーッとただ見上げているだけだ。あまりの無反応さに周囲の方は動揺する。

「おい、理解しているのかよ?」

 痺れを切らしたボスが怒鳴り散らそうとした瞬間、ノノの腹がグーッと腹の虫を鳴らすことで応えていた。

「えへへッ、恥ずかしいなぁ、運動したからお腹が空いちゃって……」

 照れくさそうに頬を染めて見せるノノの場違いな反応に、周囲の動揺はさらに激しくなる。
 先ほどの命をかけた死闘をまるで軽い運動のように言ってのけた異常さまでに突っ込みが追いつかない。
 ワナワナと怒りで肩を震わせるボス、そのの怒号こそが彼らにとって近々に恐れるべき危機なのだ。

「ふぅ、そうか、そうかッ、まだコケにしよるか、このガキがぁッ」

 目配せを受けて数人の男が拘束されているノノの身体をガッシリと羽交い絞めにする。
 ユラリと歩み寄るボスの手には金属のリングを三つとノノが愛用している鍼がそれぞれ握られていた。

「少しは痛みを感じて、反省してもらおうか」

 媚薬クリームでジンジンする乳首を摘まむと、ライターで炙った針先を押し付けていった。

「それッ、貫通じゃ」
「――ぐぅぅッ」

 プツリという皮を突き抜け、肉を貫通する感触とともに乳首に横穴が開けられていた。

「そら、次は左だ」
「くぅッ……んん――ッ」
「どうだ、部下たちをプスプスと刺しやがって、自分も刺される気分はどうだよ」

 鍼から滴る血を舌で舐めとり、残忍な笑みを浮かべる。
 部下想いのボスを演じてみせているが、実際には消耗品の手駒としか考えていない男だった。
 暴力ばかりで頭のまわらない連中に、こういう演出で人心掌握をはかっているのだ。

「ほーれ、綺麗なもんだろう?」

 鍼が貫通した左右の乳首にリングピアスが通された。身体が揺れるたびに銀色のリングが乳首で揺れて、キラキラと照明の光を反射してみせる。
 出来栄えに満足そうなボスだが、まるで今、気付いたように手元に残った最後のリングを摘まんでみせる。

「折角だからな、これを付けてやろう。当然、どこに付けるかわかるよなぁ? おい、脚を広げさせろッ」
「――きゃぁッ」

 両脚を新たに持たれて、身体を折り畳むようにして頭の方へと持っていかれる。俗にいうまんぐり返しのポーズといえる姿勢にコンパクトに畳まれてしまう。
 自分の秘部が眼下に迫り、媚薬クリームの効果で激しく勃起した陰核が視界にはいる。
 すでに包皮も向けて、小指の先ほどまで充血している。そこへ鍼先が押し付けられた。

「あぁぁ……」
「おら、覚悟はよいかよ」
「ぐぅぅぅぅぅッ」

 苦悶の呻きとともに針先が突き刺さる。貫通にかかる労力は乳首とさほど変わらないが、与えるダメージは段違いだった。
 流石のノノもビクンビクンと身体を震わせ、男たちに抑え込まれた。無様な悲鳴をあげないのは流石はエージェントといったところだろう。

「塗りつけたクリームには鎮痛効果もあるからな。まぁ、半日もすれば効果は切れるからな、そん時はまた苦しんで愉しませてくれよな」

 無残にも三個目のリングピアスも装着されて、プラプラと揺らされるたびに陰核に伝わる刺激におもわず甘い声が漏らしてしまう。
 気を失っているうちに塗られた催淫クリームの効果なのだが、それを知らないノノは自分の反応に戸惑ってしまっているのだった。

「よーし、そろそろガキを呼びつけるか。おい、そこの口枷を噛ませておけ。まずは口を楽しみながら実況してやる」

 ボスが指示したのはフェイスクラッチマスクだ。男たちの手が頭部を押さえ、顎を摘まむと強制的に口を開かせる。
 そこに口枷の内側にせり出した金属筒を咥えさせていく。

「あが……がッ、あがぁ……」

 顎が外れんばかりに開かされた状態で、口枷のベルトが頬を横切り後頭部で締められる。更に鼻の脇を通ったハーネスが頭頂から後頭部へと繋げられて口枷が固定される。
 顎下のベルトを調整されれば、鼻から下が黒革の開口具に覆われてしまう。本来は口のある部分には銀の筒縁があり、その穴を塞ぐようにゴム栓が押し込まれているのだ。

「んッ……んんぅ……」

 開口具の苦しさにノノが眉根を寄せる。
 ノノの前で仁王立ちしたボスは、ズボンから自慢の肉棒を取りだしてみせる。肉茎には真珠の珠をいくつも埋め込んでおり、淫液に焼けてどす黒く染まっている。
 幾人もの女を啼かせてきた自慢の怒張を見せつけると、引き寄せたノノの開口具からゴム栓を抜き取り、その口穴へと挿入していった。

「――ぐッ、うぐぇぇぇ」
「チッ、逃げるなよ……おぉ、意外に具合は良さそうだな……そうだ、根元まで呑み込め」

 陰毛の茂る根元を顔に押し付け立てられて流石にノノは嫌がる様子を見せる。それを見下ろしながら残忍な笑みを浮かべると、小さな頭をわし掴みにしてグイグイとさらに腰を押し付けていく。
 開口具のリングから出入りする肉茎は、すぐに唾液にまみれて照明の灯りにヌラヌラと濡れ光ってみせる。
 散々煮え湯を飲まされたエージェントの少女を捕らえて、自らの肉棒を咥えさせている。その事実はいつ女を抱くより興奮を高めるスパイスとなっていた。
 恍惚とした表情を浮かべて口腔の具合を堪能していたボスが、黙って手を横に差し出す。
 それに慌てて配下の者はコールをすませた端末を手渡すのだった。

「……もしもしッ」

 わずか二回のコールで相手が出たことにニヤリとする。
 事前に捕らえられたノノの姿を送信しており、その効果で相手を揺さぶれているのを確信したのだ。

「おう、兄ちゃん、メールは見たかい? その写真は1時間前のものだが、今もドンドン事態は進行しているぜッ、少しでも早く助けたかったら添付されてる場所まで来いや……あぁ、もちろん一人でなッ。俺らの目的は兄ちゃんだけだからよ、素直に来てくれれば、このちっちゃい彼女はすぐに解放してやるぜぇ」

 解放する気など最初からないが、相手を呼び出せばこちらのものだ。
 身柄さえ押さえてしまえば、あとはいくらでも約束を反故にできるからだ。

「か、彼女の声を聞かせろッ!!」

 期待通りに焦った様子の相手にボスは笑みを深めていた。
 激しいイラマチオを繰り出しながら、相手の大事な人を寝取る快感に酔いしれていく。

「あぁッ、今、俺のを咥えさせてるから無理だなぁ……おッ、お、お前、フェラがうめぇなぁ。もうちっと奥まで……そうだ……くぅ……いいぞぉ……」
「――くそッ!!」

 相手の悔しがる声は実に最高だった。上機嫌になると少女の顔へとガンガンと下半身を押し当てていった。

「へへへッ、兄ちゃんも味わいたかったか? それだったら……ん?」

 圧倒的な有利な状態で凌辱することに愉悦を感じていた。それ故に少女が激しくえづいても責め続け、プルプルと小さな身体を震わせはじめたと気づいた時には遅かった。

「うッ、ぐぇぇぇぇぇッ」

 胃から逆流したものが喉をせり上がり、濁流となって咥えさせていた男根に被さり穢していった。
 そのまま開口リングの隙間からも溢れ出て、ビチャビチャと床で飛散する。

「わーッ、こいつ吐きやがった! なに誉められたからって、そんなに喉奥まで飲み込んでるんだ、無理すんなよッ!!」

 ズボンごと下半身をゲロまみれにされて、その凄惨な光景にボスも動揺していたらしい。
 慌てて飛びのいた時に手にしていた端末を取り落としてしまう。
 それにチャンスとばかりに、ノノは拘束された身体ににじり寄ると端末に向かって話しかける。

「げほッ、ごほッ、へんぱいッ、きちゃらめれすッ、わなれす!!(先輩、来ちゃだめですッ、罠です!!)」

 開口具によって口の動きが制限されているものの、どうにか趣旨は伝えられた。
 だが、吐いている途中で喋った為に、まだ喉に残っていた吐しゃ物が勢いよく吐き出されてきた。
 当然、話しかけている端末へとゲロが降り注ぐわけで、ゲロまみれになった床に端末が埋もれていった。

「あぁ、バカ野郎、先に口拭いてから喋りやがれッ! あぁぁ、俺の買ったばっかりのスマホがゲロまみれになっちまった……」
「そのヒュマホ、ぼうひゅいらから、あらえばいいれひょ!!(そのスマホ、防水だから洗えばいいよ!!) オゲエェーッ!!」
「うぎゃぁぁぁ!!」

 最後の一撃でスマホの姿は山となった吐しゃ物の下に完全に消えていた。
 ノノによるゲロ攻撃によって監禁場所である廃工場はパニック状態になるのだった。


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